NPOなどの相談を受けて最も適した人材や資金等をマッチングするコーディネーター「共助仕掛人」。
個人の専門家ボランティア登録者のうち、一定の要件を満たし、「共助仕掛人」として共助社会づくりに取り組む意欲のある方を「専門家ボランティア共助仕掛人(以下、専ボラ共助仕掛人)」として登録しています。
本レポートは、その専ボラ共助仕掛人になった方にスポットをあてて特集します。
今回は、さいたま市内を拠点に主に被災者支援活動に取り組む江藤善章(えとうよしあき)さんです。
東日本大震災の被災者へ心の支援を行う「宮北会」の代表として活動されています。
江藤さんには、活動のことや専ボラ共助仕掛人への想い、今後の目標についてお話を伺いました。
江藤善章(えとうよしあき)さん
東日本大震災の特に三陸海岸の津波被災者への心の支援活動を展開しています。阪神淡路大震災の時からボランティア団体に参加してきた10年間で、800人ほどが自殺、孤独死で亡くなりました。助かった被災者を死なせない活動が必要だと思い、岩手県山田町という地域を限定し被災者と顔の見える関係を10年間継続しています。
これまで被災地に34回訪問し、一人一人と会い心の交流を展開してきました。市内でできる活動として、初年から被災者の誕生日に色紙、折り紙、花束などを送っています。被災者は社会から忘れられてしまうことで、より孤独を深くし、生きる希望を失います。忘れていませんよという強いメッセージを込めて送っています。
現在では、「宮北会」発祥の地であるさいたま市北区宮原地区の人たちを中心に、すそ野を広く展開しています。地元の様々な音楽団体が参加しての「東日本大震災支援チャリティーコンサート 私たちは忘れない」は10年続いています。その地域の一つのバンドが山田町を訪問するなど、点と点を超え、今では地元の公民館活動の団体や、自治会、老人会なども関わり、面と面のつながりにもなっています。
平成27年度 被災者への誕生日プレゼント活動「色紙作り」
平成24年度 宮原公民館で折り紙サークルが参加 色紙と一緒に送る
平成27年度 現地訪問して誕生日だった被災者に直接色紙と花束を届けたときの様子
平成23年度 地域の音楽サークルが参加した宮原のチャリティーコンサート
平成28年度 宮原のチャリティーコンサートに山田町の被災者女性が踊りで参加
平成29年度 宮原地区の音楽バンドが山田町を訪問演奏して交流
地域に根差した、息の長い活動をしていくのは、単に自分達だけの世界に閉じこもっていては不可能です。様々な取り組みをしている団体などと情報を共有することが必要だと思います。
地域の中の企業などの支援があれば助かります。
例えば、被災者の団体が月一回の例会を開いて互いを励まし合っており、そういう時に何かささやかな贈り物を届けたいと思っています。企業などからのそんな物品の援助などがあれば嬉しいのですが、その手掛かりが今のところないのが残念なところです。
平成23年度 震災後の4月に宮原で炊き出しの準備
平成23年度 震災後の4月に山田町の山田北小学校の避難所で炊き出し活動
平成23年度 山田町の仮設住宅で実施した被災者訪問活動の様子
岩手県山田町という遠い地域の被災者が、自分たちで体験を伝えるための創作舞踊や、劇などを作り始めています。この舞台を山田町で開催したいと思っています。
心痛めている人たちへ、思い続けること。ささやかに出来ることから動きたいものです。
令和3年度 浦和コムナーレで活動報告展示会を毎年開催し、今年は10年間の活動を展示
令和3年度 宮原の銀鈴幼稚園体育館で地域活動10周年展示会を開催し、60人ほどが来場
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