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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本・埼玉

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特定非営利活動法人 スペシャルオリンピックス日本・埼玉

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◆NPO紹介◆

 知的発達障害のある人たちに対して、オリンピック種目競技に準じたスポーツトレーニングや競技会等を提供することを目的としたNPO法人「スペシャルオリンピックス日本・埼玉」(川口市)。今回は、当法人がスポーツトレーニングの水泳プログラムを開いている越谷市のプールにお邪魔し、中村直樹事務局長にお話を伺いました。

Q 法人活動の歴史は。

 スペシャルオリンピックスの国内本部組織として「スペシャルオリンピックス日本」が、1994年に元内閣総理大臣細川護煕夫人の細川佳代子さんを会長として発足しました。2001年にNPO法人となった後、2012年からは公益財団法人スペシャルオリンピックス日本として活動しています。現在は元女子マラソン選手でバルセロナとアトランタ五輪のメダリスト、有森裕子さんが理事長を務めています。
 埼玉県で活動する私たち「スペシャルオリンピックス日本・埼玉」は、15年前に任意団体として川口市で発足し、2012年からはNPO法人として活動を始めました。昨年から上尾市でのフィギュアスケートや東松山市での馬術競技のプログラムも始まり、現在は11競技を県内17地区で活動しています。

Q 主な活動内容は。

 スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を、年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織となっております。スペシャルオリンピックスでは、これらのスポーツ活動に参加する知的障害のある人たちをアスリートと呼んでいます。オリンピックという名前が許されている団体ですが、決してオリンピック選手を養成する組織ではありません。一般のスポーツ教室とは全く違いますので、スポーツの技術向上だけが目的ではなく、スポーツを通じて、日常生活の充実や地域社会での交流が広がり、アスリートにとって、御家族(ファミリー)、コーチ、ボランティアの皆さんと共にとにかく楽しく過ごせる場所になれることが一番の目標かと思っております。
 また、当法人の活動には、御家族(ファミリー)の支援は不可欠ですが、多くの市民ボランティアの方が支援してくださっています。アスリートの中には、コミュニケーションをうまく取れない人も多くいます。このため、日頃、アスリートと地域の人が交流する機会が少なく、地域の人たちのアスリートへの理解が乏しいのが現状です。そこで、市民ボランティアとして日常プログラムでの活動を共にしていただくことによってアスリートに対する理解を広げたいと考えています。アスリートと触れ合うすべての人々が感動を共有し、この活動が地域に根付き、アスリートが地域で自立できるようにと願っています。
アスリートとボランティアコーチたち プールサイドからの写真
【黄色帽子...アスリート 赤色帽子...ボランティアコーチ】

Q スポーツ活動をする時に工夫していることはありますか。

 コーチも基本的にプロの方ではなく、それぞれの競技が好きなボランティアの方や、子供がアスリートとして参加している家族たちが指導しています。スペシャルオリンピックスでは、できる限り同じレベルのアスリートが競技できるような環境を作るようにしています。そうすることで、誰もが平等に競い合うチャンスが与えられ、アスリート自身の現在の力を十分に発揮し、一番輝ける機会を得られると考えています。
プールで指導する様子 泳ぎを指導する様子

Q 2020年には東京オリンピック・パラリンピックがあります。

 知的発達障害の場合、その障害レベルを確認できるシステムが世界的に統一されていなかったためパラリンピックへの参加が制限されてきました。ロンドンのパラリンピックから一部競技で参加が認められましたが、まだまだパラリンピックへの参加は難しいのが現状です。パラリンピックは夢のまた夢の舞台ですが、スペシャルオリンピックスのアスリートにとっては、夏季と冬季にそれぞれ4年に1回行われる「スペシャルオリンピックス世界大会」があります。2015年はロサンゼルスで夏季世界大会が開催され、来年、2017年にはオーストリアで冬季世界大会が開催されます。また、スペシャルオリンピックス日本では、近い将来、世界大会を日本に誘致したいという野望もあります。日本では、スペシャルオリンピックスの知名度が非常に低く、特別支援学校の教員でも御存知ない方もいらっしゃいます。しかし、スペシャルオリンピックスの発祥の地であるアメリカでは、聞いたことがない人はいないというくらい浸透しています。社会のアスリートへの理解を広めるためにも、スペシャルオリンピックスの知名度を上げる活動が必要です。世界大会を日本で開催することは、知名度を向上させる良い機会になると思っています。
泳ぐアスリート アスリートと指導するボランティアコーチの様子

Q 今後力を入れていきたいことは何ですか。

 まだ埼玉県内すべての場所で活動できているわけではありません。将来的に、活動できていない西部地域等に活動場所を広げていければと思っています。これには、コーチやボランティアスタッフと共に活動資金も必要になってきます。当法人の活動は、ボランティアスタッフや御寄附していただける多くの方々の御支援で成り立っています。これらを増やしていくには、やはりスペシャルオリンピックスの知名度を上げることが必要不可欠です。とにかく多くの方々にスペシャルオリンピックスのこと、アスリートのことを知ってもらい、応援してもらえたらとイイなと思います。現在、ボランティアの方々は口コミで集まってくださる方が多く、年齢層も高くなってきました。将来的に継続していくためにも、学生さんや若い方に一人でも多くボランティアに参加していただき、お手伝いいただけたらと思います。

法人名:特定非営利活動法人 スペシャルオリンピックス日本・埼玉
 住所:〒333-0866 埼玉県川口市芝2丁目4番25号
 電話:048‐262‐6488  HP:http://www.son-saitama.org/