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特定非営利活動法人ハンドセラピー・彩

 厚生労働省が実施している平成29年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業生活に関することで不安を抱えている人は約6割近くおり、多くの方がストレスを感じながら生活をしていると言われています。
 ハンドセラピーは道具を使うことなく、どんな場所でも、着衣の上からでも行えるケアで、心を癒す効果が期待されています。
 そこで今回はハンドセラピーの普及やボランティアの養成を目的に活動されている特定非営利活動法人ハンドセラピー・彩の代表理事押元さんと監事・講師の鈴木さんにお話を伺ってきました。

共助社会づくり課
 「活動を始められたきっかけを教えてください。」

彩 押元さん
 「私は20代のときから、日本赤十字社のボランティア活動に参加していました。その活動を続けるなかで『セラピューティックケア』(後にリラクゼーション&ハンドケアに改称)というものを知りました。これは1950年代に英国赤十字社が開発した、道具などを使わず、手の温もりで人を癒すことができるものです。そのようなケアがあるのであれば、是非学ぼうと当法人の設立メンバーである6人で現地イギリスへ行き、研修を受け、日本での普及活動の許可もいただきました。その後、法人設立時にこのケアを「ハンドセラピー」と名付け、県内で普及活動を始め今年で10年目を迎えます。

いきいきフェスティバル参加時の様子 浦和地区の会員の皆さん

いきいきフェスティバル参加時の様子 浦和地区の会員の皆さん

共助社会づくり課
 「ハンドセラピーの魅力について教えてください」 

彩 鈴木さん
 「ハンドセラピーの魅力は、心を温められることではないかと思います。ハンドセラピーはマッサージのように体を癒すものでなく心を癒すもので、講習さえ受ければどなたでもできるものです。
 実際に手の温もりを感じることで、ハンドセラピーを受けている方は癒されますし、ケアをしている人も『誰かの役に立っている』という満足感を得ることができます。
 私は、以前はパートとして働き、ボランティアには縁遠い生活を送っていました。『誰かの役に立ちたい』という気持ちは抱えつつも実際には行動に踏み出せない状況でした。
 そんな時、あるイベントでハンドセラピーを軽い気持ちで受けてみました。実際に受けてみると『手の温もりや人の温もり』を感じ、直感的に『これなら私もできる』と思いました。
 その体験をきっかけにハンドセラピーの講習を受け、会員となり、今ではボランティアを養成する講師として活動しています。」

共助社会づくり課
 「鈴木さんのようにハンドセラピーをきっかけにボランティアを始められた会員の方も沢山いらっしゃるのですか。」

鈴木さん
 「会員の中には、ボランティア未経験で、ボランティアは初めてという会員が沢山います。
 ボランティアに限らず、始めの一歩を踏み出すことがとても難しいと言われていますし、私もその一人でしたのでその気持ちはよく分かります。
 彩には主婦から定年された男性や大学生まで幅広い年代層のメンバーがいます。 
 地域に踏み出す、気軽にできるボランティアとして多くの方に知っていただければと思います。」

共助社会づくり課
 「現在、行われている活動について教えてください。」

押元さん
 「主な活動としてはハンドセラピーのボランティアを養成する講座を実施しています。講座は2種類あり、一つがケアされる側の背中側に座り、手の平全体を使い、背中と肩を優しく、擦るものです。もう一つはケアされる方と向き合って座り、相手の話に耳を傾けながら手や腕を優しく、擦るものです。こちらは対面して行うケアなので、より安心感を得やすいと言われています。
 そのほかの活動として、実際にハンドセラピーを体験する取組も、イベントで実施して、また各地域での介護施設へのケア活動も行っています。」

背中と肩のハンドセラピーの様子 手と腕のハンドセラピーの様子

背中と肩のハンドセラピーの様子   手と腕のハンドセラピーの様子

共助社会づくり課
「実際にどのようなイベントに参加しているのですか」

押元さん
 「最近は2月に埼玉県男女共同参画推進センター(With Youさいたま)で開催された第17回With Youさいたまフェスティバルに参加しました。そのほか各市で開催される各種の市民活動まつりなどに参加しています。
 3月にはさいたま市の「平成30年度浦和コミセンまつり」および、「さいたま市市民活動サポートセンターフェスティバル」に参加します。イベントでは毎年、年間2,000人もの方がハンドセラピーを体験されています。正直なところ、多くのイベントに参加することは大変ですが、一人でも多くの方に体験してほしいという気持ちで、イベントに参加するよう心掛けています。」

共助社会づくり課
 「他の団体と連携した活動もされていると伺ったのですが、どのような団体と連携しているのでしょうか。」

押元さん
 「中学校などに出向き、授業のなかで生徒に対してハンドセラピーを実施することがあります。
 高学年になると思春期を迎え、自己表現が上手く出来なくなり、ストレスを抱える児童・生徒が多くなるそうです。
 保護者との関係性が変わりコミュニケーションが減る時だからこそ、ケアを学び、『ありがとう』の気持ちを込めて、保護者の方にケアをしてほしいと思い、活動を始めました。
 子供たちはこの体験学習によって心の安定を図ることができ、その後も落ち着いて生活を送ることが出来ています。家庭で実践した生徒も多く、保護者の方からの『大変気持ちが良かった』『心が落ち着いた』という声が担当教師から届くなど、とても良い成果を挙げています。」

共助社会づくり課

 「将来の展望について教えてください。」

押元さん
 「ハンドセラピーの技術は、英国赤十字社から学んだものです。その技術を多くの方に学んでいただき、継承していくとともに、皆さんの心の癒しに提供をできるような活動を進めていきたいと思います。」

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