子ども大学は、異なる学校・学年の子どもたちが、さまざまな分野の第一線で活躍する講師陣の講義を聴いたり、実際に体験したりしながら共に学ぶ「子どものための大学」です。

特定非営利活動法人　マナビバ（さいたま市南区）の拠点は、武蔵浦和駅西口から徒歩１０分ほどの住宅地の中にあります。　「子ども大学ＳＡＩＴＡＭＡ」の開校に取り組み、３年越しで２６年１０月、開校にこぎつけ、第１期生として小学校４年生から６年生までの６０名を受け入れました。

生まれも育ちも大宮、という代表の野原健志さんにお話を伺いました。

Q　マナビバが子ども大学ＳＡＩＴＡＭＡの開校に携わるようになった経緯を教えてください。

Ａ　ＮＰＯ法人マナビバは　２０１１年４月の設立ですが、私自身、子ども大学とは既に４～５年関わってきています。埼玉県で最初に開校した「子ども大学かわごえ」には、ボランティアとして参加していました。ＮＰＯ法人マナビバを設立して、岩槻と蓮田での子ども大学の立ち上げや上尾・伊奈・桶川に関わりました。そのあと、地元さいたまでの立ち上げに着手、３年かかりましたが、ようやく昨年の１０月に開校することができました。

 ＜Ｈ２６年度第２回　「実物の蚕や繭から学んでみよう」　於埼玉大学＞

Ｑ　子ども大学ＳＡＩＴＡＭＡの特色は何ですか。

Ａ　特色は、グルーバルな人材の輩出を目指す、ということです。
子ども大学の関係者と話をするうち、日本の大学生は、先進国の大学生の中でも特に、英語が使えない人が多い、という話になりました。他の国々と陸続きの国や地域ではいろいろな言語が並立するところが多いのですが、日本はそのような環境にありません。日本は日本語という単一言語でほぼ通用します。他の言語を使って生活しなければならない環境にないので、なかなか外国語を使えるようにならないのです。しかし、これではグローバルな世界の流れに遅れてしまいます。言葉はとても大切なもので、意思疎通の手段です。完璧に使いこなす必要はありませんが、相手と意思疎通を図ることができるくらいの英語はできたほうがよいでしょう。相手と意思疎通を図ることができて初めて、グローバルな世界の入り口に立つことができるのではないでしょうか。

そこで、子ども大学ＳＡＩＴＡＭＡでは、グローバルな人材の輩出を目指して、そのような授業も組み込んでいます。初年度は、子ども大学ＳＡＩＴＡＭＡの中本進一学長（埼玉大学）が、１回目に「世界と日本・グローバル化の一員に！」と題した講義と、５回目に「さあ、グローバルの世界へ！英語を使ってみよう」という講義を行いました。

　　　　

　　　　　　　　　　＜平成２６年度５日目「さあ、グローバルの世界へ！英語を使ってみよう」　於埼玉大学＞

Q　受講した子どもたちの反応は如何ですか。

Ａ　子どもたちは皆、講義を聞いて、楽しかった、おもしろかった、と言ってくれます。ただし、講義を聞いてすぐに何かが変わるというものではありません。さまざまな分野、世界に触れることで知的好奇心が刺激され、関心の幅を広げていろいろなことに挑戦してくれればと思います。

教育は家庭と学校だけで担うものではなく、複合的にあるべきです。子どもに学びの場を与えなければ、気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。「気づき」の機会を増やして、子ども自身で自分がどのように関わっていくのか、どのように生きるのかを選択できるように、引き出しの数を増やしてやることが大切です。それが、子どもの「生きる力」を育むことにつながると確信しています。

＜平成２６年度　４日目「プロの器具を使って自分でおかしを作ってみよう！
食べてみよう！」　於　埼玉ベルエポック製菓調理専門学校＞

Q　最後に、平成２７年度、２期目のスケジュールは決まりましたか。

Ａ　募集は、５月のゴールデンウィーク明けに開始する予定です。１期生は６０名でしたが、２期生は、募集人数を拡大する予定です。スタッフはみなボランティアで、実行委員会で開校の準備をしているところです。プログラムが決まり次第、マナビバのホームページに掲載します。

＜「彩の国ビジネスアリーナ２０１５」に出展してＰＲ＞

　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（取材：２０１５年３月　Ｍ.Ｋ）

 ＜参考＞
埼玉県ＮＰＯ情報ステーション　コバトンびん　ＮＰＯデータベース　特定非営利活動法人　マナビバ
http://www.saitamaken-npo.net/database/kyoudou/group.php?mode=detail&id=110201133131

特定非営利活動法人　マナビバ
http://www.npomanabiba.org/　

埼玉県教育委員会　子ども大学
http://www.pref.saitama.lg.jp/f2216/kodomodaigaku/