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特定非営利活動法人 ぎょうだ足袋蔵ネットワーク

活動レポートでは、毎回NPO法人を訪問して、その活動を紹介しています。
今回は、行田市に残る歴史的建造物、「足袋蔵」等を再生しながら
ネットワーク作りを行っているぎょうだ足袋蔵ネットワークの活動を紹介します。


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          特定非営利活動法人ぎょうだ足袋蔵ネットワーク

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              ◆NPO紹介◆

行田市は「古墳と古代蓮の里」として知られていますが、忍(おし)城下として栄えた
歴史のある町でもあり、かつては足袋の一大産地でした。
昭和初期には全国シェアの80パーセントを占め、足袋のラベル印刷や梱包業などの
関連産業も盛んでした。市内には今も70棟余りの足袋蔵が残っています。

今回訪問した「足袋とくらしの博物館」は、かつての足袋工場を再生した施設です。
NPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワークが中心となり、平成17年度埼玉県NPO基金の
助成事業を活用して取組んだ事例です。
代表の朽木宏(くちきひろし)さんにお話を伺いました。

ぎょうだ足袋蔵ネットワーク代表 朽木宏さん

 

 

 

 

 

 

 

         <壊されかけた足袋蔵を残したい・・・>

足袋工場を再生した足袋とくらしの博物館

 

 

 

 

 

 

 

 

[足袋工場を再生した「足袋とくらしの博物館」]

Q: この建物の由来を教えてください。
A: この建物は、行田で一番豪勢な店蔵と土蔵3棟をもつ、牧野本店の足袋工場でした。
明治維新後に武士から足袋商人に転身した牧野家が、平成17年まで足袋工場として
使用していました。

Q:取り壊しの危機に瀕していたそうですね。
A:10年前のNPO設立のきっかけも「足袋蔵の取り壊し」をなんとかくい止めたい、
ということがはじまりでした。
この建物も足袋工場が廃業となり、取り壊して駐車場にする計画が進んでいました。
所有者の方にNPOの仲間と相談に行き、何とか残せる方法を一緒に考えました。
平成17年度の埼玉県NPO基金のNPO活動促進助成事業申請の締め切りにぎりぎり
間に合い、「足袋とくらしの博物館開設事業」として応募しました。
プレゼンや審査を経て、採択されたときはホッとしましたね。
150万円の事業費のうち100万円を助成頂きました。
(2/3の助成金でMax100万円でした)

Q: 助成金の応募にあたり大変だったことはありますか?
A: 取り壊し計画を知ったのが3月で、応募締め切りが5月下旬。
期間が短かったので、事業審査のためのプレゼンテーション作りや、
NPOが用意する50万円の資金繰りが大変でした。継続的な運営が
できるのかどうかもネックでした。

Q: 「足袋とくらしの博物館」開設でめざしたものは?
A: 足袋やミシンなどの道具を見るという施設ではなく、足袋が作られていく
工程の実演や、ものづくりを体験できる施設を目指しました。
ボランティアで足袋作りを実演・指導してくれる職人さんも見つかり、
平成17年10月に無事に開館することができました。

足袋とくらしの博物館 職人さんが足袋作りの工程をわかりやすく解説してくれる

 

 

 

 

 

[職人さんが足袋作りの工程を解説
してくれるのでわかりやすいと好評]

 

 

Q:最近の新しい取組を教えてください。
A:平成25年度にこの博物館を利用して、埼玉県の足袋職人後継者育成事業を
受託し、何十年ぶりかで新人の足袋職人さんが誕生しました。
現在も引き続き、この場所で足袋作りの修業をされています。

また、地元の大学や他地域のNPOなどと様々なネットワークができました。
きもの文化の振興を行っているNPO川越きもの散歩さんには
足袋作りのアドバイスをもらい、新製品の足袋をコラボレーションすることができました。

 足袋底に柄の生地を使用した白い足袋。足袋とくらしの博物館で販売している。

 

 

 

 

 

[足袋底に柄生地を使用した白足袋。
足袋とくらしの博物館で販売している。]

 

Q:足袋蔵めぐりのイベントも定着したようですね。
A:今年で10年目になりました。毎年5月の第3土曜・日曜に開催しています。

NPO法人 ぎょうだ足袋蔵ネットワーク ぎょうだ蔵めぐり・まちあるきイベント 

 

行田の足袋蔵などの蔵めぐりスタンプラリーの様子

 


 

 

 

 

 

 

 

 

                        [蔵めぐりのイベントも開催]

 
普段は非公開の蔵も含めて、イベント期間中は20余りの蔵が見学できます。
それぞれの蔵でイベントや催しを開催しています。
商店街の協力で、お買い物も楽しめるまちあるきイベントになりました。
今年は2日間で700名の参加がありました。

 行田市内の蔵めぐりでは、街中を回るレトロなボンネットバスも人気です。

 

 

 

 


[町中を回るレトロな
ボンネットバスも人気です]
 

 

Q:今後の活動についてお聞かせください。
A:ここ近年は、毎年1棟を目標に歴史的建物の保存や活用を実施してきました。
10年かけて地元の人に、足袋蔵の活用を目に見える形で提示してきたことが
少しずつ定着してきているようです。
若い人が身の丈にあったやり方で、カフェなどを新規開業するケースも増えて、
街が楽しくなってきました。 足袋蔵も様々なコミュニティで
使ってもらえるようになり、これからも点在している蔵を、
ネットワークすることを楽しみながら活動したいと思います。

(取材:M.F)

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