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いきいきらいふ・ネット

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 「いよいよこれからだ、楽しくなるぞ」会社をリタイアしてこれからの人生をそう思える人は幸せだ。どんな人でも老後は最低限のお金が必要だ。残念ながら「武士は食わねど…」は通用しない。これからのこと、家族のこと、経済的なこと等で不安に駆られる人も沢山いるのではないだろうか。

 「そんな後ろ向きな考え方はダメ、いつまでも輝く“ 実年” を目指しましょう。及ばずながらお手伝いしますよ」という団体がある。主に川越・入間地域で活動を続ける「いきいきらいふ・ネット」。2004年5月に法人の認証を取得した。

 

中高年のサポーターを目指して

 「いきいきらいふ・ネット」では、主として一般中高年者に対し、老後の不安や長生きリスクを解消するためのファイナンシャルプランの作成等の支援を行っている。他人が関わりにくいお金の部分に焦点を当て、中高年者の経済的自立を助けるサポーターである。会員メンバーは実に多彩で、ファイナンシャル・プランナーを中心に税理士、社会保険労務士、キャリアカウンセラー等の専門家集団だ。地元の入間市はもちろん、県内の行政や非営利団体、市民活動団体、企業とも協働連携して、幅広い生活相談、生活支援を行っている。代表理事の橋本透さんによると「これからの少子・高齢化の日本では“ 中高年” や“ 老後” という言葉は無くなっていくはず。なぜなら、2006年に日本の人口はピークを打ち、50歳以上の人々が人口の4割を超えた。これからは自分が考えている年齢が“ 実年” となります」

 そして「60歳で定年退職した人の中にも、年齢よりも若々しい人達も大勢います。生きがいを考え、探求することができるのは人に与えられた特権、そして、定年を機により生き生きとしたライフステージを展開していけるのです。それには健康、生きがい(心)、経済(お金)がその基盤として大切です」と説く。そのための具体的なライフプランをつくって提案・実行していくとのことだ。なんとも頼もしいメッセージだ。

 tsunaga09_ikiikilife.jpg元気な中高年は今後も増える。

生活の基盤がより大切になる。

 

市民に役立つ情報を横断的に網羅する介護・福祉マップを作る

 この会が今取り組んでいる代表的な協働事例がある。入間市と協働して市民主体でつくる「市民のための入間市介護・福祉マップ」づくり事業だ。高齢者や障害のある人々が地域で安心して暮らせるように生活情報と地図をマッチングさせた使い勝手のよい情報誌づくりである。今までにも似たような冊子はあったが、たとえば高齢者向け、障害者向け、子ども向けというようなタテ割り情報だったという。それに対してこの「市民のための入間市介護・福祉マップ」は、すべての入間市民に役立つ情報を地域横断的に網羅するもので、行政からは情報の提供程度にとどめ、あくまでも市民主体で市民の目線で作ろうというものだ。この企画は、2009年、埼玉県社会福祉協議会の推薦を受け、独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」から助成を得て取り組むこととなった。たとえば、地域包括支援センターや在宅介護支援センターなどの公的機関、介護福祉関係の施設や事業所、高齢者や障害者施設などの専門分野に留まらず市民活動団体・ボランティア団体、在宅医療、訪問歯科、移送サービス、配食サービス等市民が知りたいと思う情報を満載している。

 2009年5月、まずは実行委員会の立ち上げから始まった。3年前から入間市で活動する福祉関係の約20団体で福祉団体交流会を定期的に開催、そのネットワークづくりの中から、お互いの顔が見える関係、信頼・理解しあえる関係を築いてきた。この交流会の世話人4団体が中心となり実行委員会事務局を構成、この事業を申請した橋本さんが実行委員長に就任。副委員長2名、幹事2名の5人体制でコアを作り、これをベースに市民活動団体や地域包括支援センター、社会福祉協議会などから50名ほどのメンバーが実行委員に参加した。市民主体の実行委員会ということで行政との関わり方では試行錯誤もあったが、従来からの良好な関係のもと順調なすべりだしとなった。2009年10月現在、7回の実行委員会を開催、アンケート調査も完了、いよいよ本格的な編集作業へと入り、2010年3月のマップ完成を目指す。

 

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「NPOいきいきらいふ・ネット」セミナーの開催

 経験にスキルそして時間も十分にあって、好きなことができる高齢者、加えて健康で生き生きとした毎日の暮らし、ある程度の蓄えがなければそのような暮らしは絵に描いた餅。NPOでは、ミッションである「高齢者が長生きして本当によかったと実感できる社会の確立」と活動目的の「老後の不安と長生きリスクの解消」をテーマに、暮らしを充実させるための資産運用と管理の知識、年金・介護・医療等の福祉情報、リバースモーゲージ制度などの分野も含め各種ライフプランセミナーを毎年30回程行って情報発信を続けている。その延長上で、埼玉県が開設した「団塊世代活動支援センター」との協働事業として、県内自治体との共催も含め6回のライフプランセミナーを開催。また「彩の国いきがい大学(財団法人いきいき埼玉運営)」では伊奈学園、さいたま学園、蕨学園、入間学園に6回にわたり、講師として協力し好評を得た。また2009年6月からは地元入間市のコミュニティラジオ局エフエム茶笛(FMチャッピー)と協働し、1年間にわたる「元気なシニアのための生活応援講座」を放送中である。活動は年々ステップアップし、多岐にわたり、充実したものとなった。「いきいきらいふ・ネット」の今後の活動が楽しみだ。

元気なシニアのための生活応援講座を発信。

FMチャッピーのラジオ番組

tsunaga09_ikiikilife5.jpgシニアも健康でこそ、活動範囲は広がる