埼玉県介護支援専門員協会
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(特)埼玉県介護支援専門員協会
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★ケアマネジャーは臨床実習がない!
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険制度の要と言われ、介護が必要な方の自立に向けての
ケアプランを作り、介護サービス事業所等との連絡調整を行う仕事をしています。ケアプランを作るため
には、介護が必要な方の体のこと、心のこと、生活環境など様々なことを検討しなければならず、幅広い
知識と経験が求められます。
ところが、ケアマネジャーは事業所に1人か2人しかいない場合が多く、先輩に付いて経験を積む職場
環境に恵まれていません。また、資格を取るための研修でも、医師や看護師のような臨床実習は行われて
いません。そのため、煩雑な業務や責任の重さ等に行き詰まってしまうケアマネジャーが多く出てきてし
まいます。仕事を辞めてしまう人も後を絶たない状況とのことです。
★一人でも多くのケアマネジャーを支えたい
「埼玉県介護支援専門員協会」は、こうしたケアマネジャーに対して研修や交流会を開催することで、
ケアマネジャーの資質向上を図り、ケアマネジャーが自信を持っていきいきと仕事に励むことができるよ
う支援しています。
中でも好評なのが、「はろーケアマネ」という電話相談です。ケアマネジャーからの個別の電話相談に
応じるもので、昨年度は、年間90回開催し、約500件の相談を受けています。仕事を行う中での技術
的な疑問から、困難事例への対処法など、ベテランのケアマネジャーが親身になってアドバイスすること
で、悩みを抱えたケアマネジャーの手助けをしています。
★チャレンジサポート事業の助成を受けた「インターンシップ」
昨年度、埼玉県介護支援専門員協会はチャレンジサポート事業の助成を受けて、ケアマネジャーの「イ
ンターンシップ」を行いました。これは、受講を希望するケアマネジャーが、先輩ケアマネジャーに同行
し、利用者訪問の心得から、話の仕方やまとめ方、主治医の先生との話の仕方、サービス事業所との連携
の取り方等を実地的に学ぶものです。1回あたり3.5日で11人が参加しました。
「インターンシップ」の実施に当たっては、最初は受け入れ先の事業所を探すのに苦労したそうです。
ところが、実際に「インターンシップ」を行ってみると、受け入れる側にとっても改めて勉強するよい機
会になったと好評だったそうです。
もちろん、「インターンシップ」を受講した人たちにも好評でした。「ケアマネジャーを続ける上での
自信ができた」といった感想が寄せられ、技術を身につけると共に、精神的な面でも得るものが多かった
ようです。また、この「インターンシップ」については、日本介護支援専門員協会全国大会において発表
し、その際の座長のコメントとして「専門職として効果的な研修は現場実習である。まさに時宜を得た活
動を、職能団体が推進していることに意義がある」との高い評価を得ました。「インターンシップ」は、
全国でも極めて珍しい取り組みだそうです。
埼玉県介護支援専門員協会では、今年度以降も「インターンシップ」を継続していく予定です。
★おわりに ~訪問を終えて~
訪問の最後に、NPOで活動している方々へのメッセージを伺ったところ、「事業継続のためには知恵
を出し合って前向きに実行するのみ」とのお答えが帰ってきました。アイデアを出し、努力を積み重ねて
やってきた方々のモットーを端的に表している言葉だと思いました。
また、お話を伺っている中で「社会的な使命感」を抱きながら日々の活動に励んでいる様子も強く伝わっ
てきました。この真摯な姿勢こそが、活動を支えている源なのだと感じました。
最後に、埼玉県介護支援専門員協会さんの今後の更なる御活躍をお祈りすると共に、この訪問取材が
他のNPOの方々にとっても、少しでも参考になることを願います。
埼玉県介護支援専門員協会について詳しくお知りになりたい方はこちら↓
http://www.saitama-cm.com/
(平成20年度取材)