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特定非営利活動法人日本捜索救助犬協会

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 特定非営利活動法人 日本捜索救助犬協会

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           ◆NPO紹介◆

 

Q 主な活動は何ですか。

 東日本大震災や広島の土砂崩れ、川の氾濫等の自然災害発生時に要請を受けて現地に出向き、現地で一人でも多くの方の命を救う活動をしています。また、平時における行方不明者の捜索も行います。災害現場は非常に過酷で、人が立ち入ることができない場所に捜索救助犬(以下、救助犬)が入り、人命救助にあたります。救助犬は嗅覚を使い人のにおいを頼りに、一人でも多くの人を救助するために集中して仕事に取り組みます。災害に対する意識を啓発・醸成するために、防災の日や災害訓練等で消防署や警察署と連携して、実演することも多いです。埼玉県内では杉戸町で行われた協働災害型訓練や志木市で行われた「幸町しあわせフェスタ~防災でつながろう~」に参加して、広く救助犬の存在を知ってもらうために頑張っています。また、動物福祉の観点から捨て犬の保護活動を行っています。保護した犬の中には、救助犬認定試験に合格した犬もいますし、捜索に何度も出動している犬もいます。

 

Q 救助犬の特徴と主な活動範囲を教えてください。

 シェパードのような大型犬から小型犬まで犬種に関係なく、主人に対して素直に従う犬が救助犬に向いています。それぞれ、犬種の特徴を生かした訓練を丁寧に一つ一つ積み重ね、実践的な試験を経てから捜索救助に参加できるようになります。一刻を争う人命救助なので要請があればすぐに全国各地、どこにでも向かいます。

 

 Q 救助犬の訓練方法を教えてください。

 救助犬の嗅覚を最大限に生かせるような訓練を繰り返し行います。人を発見する訓練や、血液の匂いを頼りに、負傷者を探す訓練等があります。救助犬が訓練の中で、目標を達成したときは、たくさん褒めます。繰り返し続けることで、救助犬がどんどん伸びていきます。しかし、すぐにできるようになるわけではありません。達成できなかったときは、何が原因なのかを考え、諦めずに粘り強く訓練することで、救助犬はできるようになっていきます。

 救助犬と訓練士はバディです。訓練士は救助犬を信頼して日々の訓練に励みますし、救助犬は訓練士を信頼して、訓練士の指示に従います。訓練士は救助犬の性格、人間で言うところの人格を大切にして普段から接していくことがとても大切です。愛情を持って救助犬に接していき、救助犬と訓練士のゆるぎない関係がつくられることで、災害救助の現場において、救助犬の力を最大限に引き出します。

   

             【箱の中に隠れている人を探す訓練の様子】

  

     【広い敷地の中から小さな物を嗅覚で探し出す訓練の様子】

 

Q 災害地での活動はどのようなものですか。

 災害地は近い所ばかりではなく、遠い場合もあります。特に、災害地では迅速な対応が望まれますが、遠い災害地の場合は、他の県の救助犬協会と連携しながら、救助を進めていきます。活動をしていると亡くなった方を発見することもありますが、一人でも多くの人の命を繋ぎたいと思って取り組んでいます。大きな災害の際は、数日間、車の中で救助犬と一緒に寝泊まりします。当然ですが、救助犬は生きているので、災害地においても食事や排泄の世話が必要です。救助犬が集中して仕事に臨めるよう、車中で少しでも快適に過ごせるように工夫をしています。救助犬も私自身も活動期間中はなかなかお風呂に入れませんが、人命救助第一で頑張っています。

救助犬の輸送には、車内の座席を取り払い犬のゲージを固定しカーテンを付ける、車内の空調設備等が整っているような特殊な車輌が必要です。ゲージが固定されていないと、救助犬が余計なストレスを感じてしまいますし、悪路が多い災害地の走行は不可能です。救助犬のためには特殊な車輌が必要なので、救助犬に快適な環境を確保してあげるために、「日本テレビ 愛は地球を救う」に応募しました。私たちの活動に共感してくださり、理解をいただいた結果、特殊な車輌を寄贈していただけることとなりました。救助犬が安心して過ごすことができるように細かい部分の意見交換を行い、納得のいく装備になりました。先日、日本テレビ 24時間テレビチャリティー委員会 救助犬搬送車 贈呈式が行われ、緊張しながら出席しました。納車予定は3月で、今からとても楽しみです。

      

      【贈呈式での様子】            【目録を持つ江口代表】

 

Q 彩の国ビジネスアリーナに参加されましたが、いかがでしたか。

 簡単な実演でしたが、直接、企業の方々に救助犬の様子を見て頂けてよかったです。救助犬の活動内容や働く様子を多くの方に知ってもらい、企業と協働して社会に貢献したいと考えています。様子を見てくださった多くの方は、救助犬という存在を知らない方ばかりでした。このような大規模なイベントに参加したのは初めてだったので、準備や広報計画など大変でしたが、出展して本当に良かったです。

  

                    【実演の様子】

捜索救助犬は盲導犬や聴導犬等の介助犬と異なり、飼い主以外の人と触れ合う事ができます。実演の後、足を止めてくれた来場者の方と触れ合う時間を取らせていただきました。皆さんが優しくなでてくれたので、犬も嬉しそうにしていました。

  

                【救助犬との触れ合いの様子】

 今回のイベントでたくさんの方々と新たに出会うことができました。この出会いを大切にし、企業での防災訓練等にも積極的に参加していきたいと考えています。私たちも積極的に企業に救助犬の活動をPRしていきます。                

 

Q 今現在の課題は何ですか。

 救助犬の育成と訓練士の不足です。訓練士に何か資格が必要なわけではありません。当協会の会員になっていただければ、丁寧に一から訓練の方法や救助犬の見極め方等を教えたいと思っています。一つ一つ訓練を積んでも、すべての犬が救助犬になれるわけではありません。また、資質がある犬でも厳しい試験に合格することが必要です。原則、自宅で犬を飼える人で、興味関心がある人でしたらどなたでも訓練士になれます。

 訓練活動をする場所も不足しています。災害はいつどこで起こるか、わからないので、様々な場所で訓練しておくことで、いざという時に多くの人の人命を救助することができます。広い土地や山林、森などやビル解体現場など、短期間でも構いませんので、御提供いただきたいです。場所を提供してもいいという方がいましたら、是非、御連絡いただきたいと思います。

 

Q 今後、どの様な活動に力を入れていきたいですか。

 企業との連携、協働を視野に入れて活動していきたいです。まだまだ、認知度の低い捜索救助犬です。積極的に広報活動を行い、会員を増やしていきたいです。また、自主開催の事業も検討しながら、活動を活性化したいと考えています。「一分一秒でも早く、一人でも多くの人を助けたい。そして、決して諦めない」を胸に秘め、人と犬の共生、犬とできる社会貢献を考えて、実行していきたいと思います。

 

*法人について、詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.japan-srda.net/

 

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