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トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成24年度 NPO訪問 > 北秋津ネット

北秋津ネット

 学級崩壊、学力低下、不登校児童の増加、大規模災害への対応など、教育を取
り巻く課題が多様化しています。こうした中、所沢市北秋津小学校区では、学校
と地域団体が連携し、学校、家庭、地域が一体となった教育を目指した新たな取
組が始まっています。
 今回は、学校と地域団体の協働により実現した「地域子育て拠点の木質化」に
ついて、「北秋津ネット」議長の小沢貞泰さんにお話を伺いました。


◆ 地域の拠点づくり ◆
 午後3時。「ほうかごところ室」は、今日も学校の授業を終えた多くの子供た
ちで賑わっています。特に今、子供たちの人気となっているのは、先日、張り替え
を行った木製の床。西川材の新鮮な木の香りが漂う、温かみのある室内に「評判は
上々です」と小沢さんは顔をほころばせます。
 北秋津小学校では、所沢市の放課後支援事業「ほうかごところ」事業の一環とし
て、地域ボランティアやNPO、学校が連携して、教室や校庭、体育館などを活用し
た、放課後の子ども達の居場所づくりが行われています。「ほうかごところ室」は
使われていない教室を改装し、設置されました。しかし、「床がタイル張りで冬場
は冷たく、子供たちの愛着が欠けるところが見受けられた」と小沢さんは言います。

こうした中、北秋津ネットの取組によって昨年11月に実現した「ほうかごところ
室」の木質化(木の床張り)は、学校に関わる地域の積年の願いが叶った形となりま
した。
 ここまで来るには多くの苦労もありました。「事業を通じて、子ども達に木育を
切り口に木に親しむ経験をしてもらいたい」という思いから、非常に短い期間の中
で子ども達と一緒に吾野で間伐などの森林保全体験を行い、床材を敷き詰める作業
も一緒に行っていきました。参加した小学校1年生~3年生の子ども達にとっては大
変な力作業でしたが、頑張って自分が教室を作ったという達成感から、「学校が好
きになった」、「子供が学校に愛着を持つようになった」との声が多く聞かれたそ
うです。


◆ 今後に向けて ◆
 現在、「ほうかごところ室」は、北秋津小学校に通う子ども達の放課後の居場所
のみならず、地域の子育てグループや、地域の方々による昔あそびの伝承サークル
など、乳幼児から児童、保護者、高齢者までが活用する、地域の重要な子育て・コ
ミュニティ拠点となっています。今後は、多様なメンバーが集うこの拠点を、更に
活用していく為のルール作りが課題とのことです。
 小沢さんは最後に、「学校と保護者だけでは教育はできない。地域の人にも関わ
ってもらう中で、教育における共助の仕組みをこの北秋津小学校区で実践していき
たい」と、今後の意気込みを語ってくれました。


◇ 取材を終えて ◇
 床を張り替えたばかりの「ほうかごところ室」で取材を行わせていただいた今回、
本当に心地よい木の香りが印象的でした。これから、この温かみのある木の部屋で、
子供たちがどんな成長を見せてくれるのか非常に楽しみです。


北秋津ネット ホームページ

http://kitaakitsu.net/

所沢市放課後支援事業「ほうかごところ」

http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kosodatekyouiku/kodomo/gakkokyoiku/houkagotokoro.html

(24年12月取材)