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特定非営利活動法人 越谷らるご'フリースクールりんごの木'

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特定非営利活動法人 越谷らるご‘フリースクールりんごの木’

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 活動レポートでは、NPOを訪問してその団体の活動をご紹介しています。今回紹介するのは、埼玉県指定NPO法人となった越谷らるごです。
※埼玉県指定NPO法人の詳細はこちらから↓↓↓
NPO法人のうち、県民からの支援を受けているとともに運営組織が適切であるなど、一定の基準に適合するNPO法人のことで、県が条例で個別指定するもの。指定NPO法人は、NPO法に基づく「認定NPO法人」になるための基準のうち、PST(パブリック・サポート・テスト)を満たした法人となり個人が指定NPO法人へ寄附をした場合、個人県民税の寄附金税額控除を受けることができる。
http://www.saitamaken-npo.net/html/shinsei_todokede/ninteiseido/

 
              ◆NPO紹介◆

「通えない子どもたちに‘学び’の機会を」を掲げ越谷市内でフリースクール『りんごの木』を運営する越谷らるご。フリースクールとは、様々な理由で学校に行かなくなった子どもたちが安心して学び育つ施設のこと。『りんごの木』は、NPO法人運営のフリースクールとしては県内で最初、全国でも2番目の開設だそう。「未来につながる若者へ支援の輪を」と広く活動の必要性を呼びかけるため埼玉県指定NPO法人を取得しました。若者支援の在り方と今後の活動展開を理事長の増田良枝さんと事務長の鎌倉賢哉さんに伺いました。

 Q『りんごの木』にはどのような子どもたちが通ってきていますか。

A現在、小学3年生から23歳までの38人が通っています。ここに通う理由は、学校でのいじめや人間関係など様々です。特に、経済的に厳しい家庭の子どもが不登校になった場合、学びの場所や社会とのつながりがなくなってしまいます。『りんごの木』では、同年齢の仲間と出会い、学び合う場を提供することを第一の目的にしています。
『りんごの木』 では子どもたちに、自分のことは自分で決める、何事にも一歩を踏み出せるような支援を心掛けています。音楽活動や映画制作、宿泊キャンプなど様々なイベントを企画していますが、それらは子どもたちの「やりたい!」を大事にしたもので、運営の主体は子どもたちです。

   

Qこれまでの運営で、印象的だったことはなんですか。

Aもともとは、1980年代に越谷市内にあった個人学習塾の協力で、不登校の子どもをもつ親を中心に子どもたちの居場所づくりでした。資金や専門知識のない私たちが、それでも運営してこられたのは、子どもたちがここで生き生き過ごす姿を見てきたからです。
 平成13年に越谷らるごとしてNPO法人化しましたが、当時は、行政から理解を得るのに苦労しました。学校ではいじめや自殺、学習意欲の低下、また教員の休職など様々な課題を抱えています。子どもたちは過度な競争や行事への参加を強いられていると感じ、なじめない子もいます。講演会やシンポジウムで啓発活動を行っていますが、私たちの「学びの選択肢は地域にもある」「フリースクールは不登校の処方箋ではない」との考え方に、学校教育の関係者から理解と共感は難しいものがあると感じたこともありました。


Q『りんごの木』開設から20年以上経ち、取り巻く環境は、どのように変化してきましたか

Aかつて学校に行かない子は「登校拒否」と言われレッテルを貼られていました。 最近では、フリースクールへの出席が、籍のある学校の出席日数に換算される小中学校もあります。その場合は学割で通学定期券を利用できます。その他、県内の小学校の先生方と体験プログラムの実施や、広域通信制高校との連携もはじめました。

 ただ、委託事業などを受けても、資金繰りは正直言って苦しいです。安定した運営をするためには、法人としての社会的信用性を高め寄附を広く集めるための整備として、認定NPO法人を目指し、その過程で、埼玉県の条例指定を受けました。

 

Q 今後どのように居場所づくりをされていこうと考えていますか。

A 埼玉県指定NPOという信用性を生かして、子どもたちの学費に充てる寄附キャンペーンや、支援基金を創設し「未来につながる若者へ支援の輪を」と広く呼びかけています。また、不登校やひきこもりがちな子どもへの支援として、社会的養護が必要な十代の若者が暮らせる自立支援ホームの運営を、平成24年から本格的にはじめました。

 これからもシンポジウムや調査研究様々な提言や発信をしていきたいと思っていますが、これらを実施する上でも、行政との連携は必要不可欠です。越谷らるごは地域のなかで人との支え合いで活動してきましたので、その根本を忘れずいれば充実した活動ができると信じています。

    

「らるご」とは音楽の速度記号の一つでゆるやかにの意味。
家族のようにあたたかくゆるやかに接するスタッフのみなさん。

(取材:共助社会づくり課 花田洋司 平成25年12月)

【ホームページ】                                                                      (埼玉県指定)特定非営利活動法人 越谷らるご
http://k-largo.org/