東日本大震災避難者交流会『おあがんなんしょ』(4月21日(日))
ふじみ野市避難者支援活動実行委員会(以下,実行委員会)は,市内に東日本大震災で避難されている方たちの心のケアや,故郷のことをゆっくり話し合う『おあがんなんしょ』を月一回開催しています。
『おあがんなんしょ』とは,福島の方言で「よく来たね、お上がりなさい」の意味。
◆癒しと交流の場を◆
震災直後から,被災者の心のケアに携わってきた実行委員会代表の松舘千枝さん。
きっかけは日本カウンセリング学会の一員としてさいたまスーパーアリーナで被災者にメンタルサポートを行ったことでした。その後,地元でもっと癒しと交流の場を,とふじみ野市立活動支援センターの吉沢さんと考えたのがこの『おあがんなんしょ』。
2011年5月に開催し,携わった方々の後押しと,「なくなるのは淋しい」との被災された方の声を聞き,市役所や各団体が担い手となって毎月の開催となりました。
◆避難者と共に歩んで◆
『おあがんなんしょ』第1回目は,「避難者の方々の参加はたくさんあったけど,どこか疲れた表情だった」と振り返る松舘さん。
活動3年目に入り今回が24回目。実行委員会がこの間,進めてきたのは,避難者との直接の触れ合い。押しつけではなく,癒しから交流が生まれ,「今は避難者の自立を目標に一緒に交流の企画しています」と松舘さんは笑顔で話してくれました。
避難者の中にはこの会がもとで,ふじみ野を好きになり定住した方や,市内の小学校に入学した子ども達もいるそうです。
今『おあがんなんしょ』に参加する避難者の方々は減りつつある一方で「淋しいけど,これは避難者の方々が自立した証し」と話してくださいました。
◆埼玉発 共助の懸け橋◆
4月21日(日)の『おあがんなんしょ』 (於:市民交流プラザ フクトピア) には,NPOや県人会,市役所や生活協同組合,学生や先生,さらには県外の団体が担い手となり,まさに地域の人々が支え合う‘共助’となりました。
「足湯は大人より子ども達の方が喜んでくれています」とNPO法人埼玉カウンセリングセンターのメンタルサポーターの皆さん。
まるで親子のよう!
埼玉カウンセリングセンターでは,毎回足湯を用意して参加しているそうです。
担い手の皆さんは避難者の方々の笑顔を見たい,その一心で自分の特技を生かして会を盛り上げてくれました!
歌やゲーム,いつも楽しい企画を持ち寄る担い手と避難者が一緒になれるのが『おあがんなんしょ』。大人はゆっくりと楽しみ,子どもは思いっきり遊べる交流会です。
※その他の支援団体は,情報ステーションfacebook4月下旬で紹介させて頂きます。
https://www.facebook.com/saitama.kyojo.style
◇訪問を終えて◇
大震災から2年以上たった今も,復興への道のりは厳しいと言われるなか,ここ埼玉県でこんなにキラキラした時間が過ごせると思いませんでした。
終わる頃にはすっかり雨も上がり,いつもより眩しい夕焼け空でした。
『おあがんなんしょ』ふじみ野市避難者支援活動実行委員会のホームページ