特定非営利活動法人 キッチンカーズマーケット
(特)キッチンカーズマーケットは、キッチンカーで飲食業を営む事業者の全国ネット
ワークを目指しています。自前のキッチンカーで災害時における炊き出し支援のほか、
有事に備えた地域防災活動を目的に設立されました。
今回は、代表の須藤さん、副代表の小瀬村さんにお話を伺いました。
小瀬村さん(左)と須藤さん(右)
◆有事に備えたキッチンカーネットワークづくり
JR川口駅からバスで20分。閑静な住宅街の中にある(特)キッチンカーズマーケットの
事務所兼お弁当工場には、いろとりどりのキッチンカーが駐車されています。キッチン
カーとは厨房設備の整った移動可能な飲食店のことで、ファッショナブルな移動店舗と
して話題となっているほか、近年、災害時の食の供給システムとしても注目を浴びてき
ました。代表の須藤さんは、毎日、お昼時になると川口から東京丸の内のオフィス街ま
でキッチンカーを走らせ、ビジネスマンにお弁当を届けています。
須藤さんが団体を立ち上げたのは一昨年の10月。東日本大震災の被災地で炊き出し支
援を行い、個人のチカラだけでは限界があると感じた須藤さんは、キッチンカー事業者
が効率良く有事の災害支援に携われるネットワーク組織を立ち上げました。
現在、関東周辺地域だけで約150台のキッチンカーとその事業者が、日頃から様々な
情報交換を行い、有事に備えた体制を整えています。
キッチンカーの内部。 様々なタイプのキッチンカー。
あっという間に開店です。 毎日美味しい食事を届けています。
◆大好評!非常食を食べる訓練。
(特)キッチンカーズマーケットでは防災訓練の一環として、地域の防災備蓄品をキッ
チンカーで調理する実演も行っています。防災意識の高まりから、町内会やマンション
の自治会などから沢山の依頼がきているとか。「備蓄の使い方や消費期限を定期的に確認
するとともに、災害時に「食を維持する」ことへの知識や理解を深めてもらいたい」と小瀬
村さんは言います。
今後、キッチンカーの機動性を生かし、地域の防災イベントなどでも実演を検討してい
るそうです。
温めるだけで美味しいひっつみ汁に。
普段は凍らせて保存しておきます。
◆キッチンカーの可能性
「移動が困難な方々のところへこちらから出向くことができるのがキッチンカーの最大のメ
リット」と須藤さんは力強く語ります。温かい食事を通じたコミュニケーションは災害時の
みならず、過疎地域など買い物が困難な場所への配達や高齢者の配食サービスなど様々な分
野で需要を感じています。
「今後、キッチンカーの可能性をもっと社会に役立てたい」須藤さん、小瀬村さんの夢は更
に大きく拡がっています。
(特)キッチンカーズマーケット Facebookページ
http://www.facebook.com/Kitchincarsmarket
(※3月14日追記)
炊き出しスキルの向上やノウハウを共有するコンテスト「炊き出しグランプリvol.3」が3月
9日(日)神奈川相模原市で開催され、(特)キッチンカーズマーケットが優秀グランプリに輝き
ました。本当におめでとうございます!
炊き出しグランプリ http://www.takidashigp.jp/
(取材:共助社会づくり課 志塚昌紀/平成26年2月)