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特定非営利活動法人クッキープロジェクト

クッキーの写真

 特定非営利活動法人クッキープロジェクトは、平成29年1月に開催した「共助コン」という、NPO、個人、企業といった共助の担い手が出会うきっかけづくりの場として当課が主催したイベントの出展団体です。

 同法人の出展ブースでは、埼玉県内の福祉作業所でつくられているクッキーの展示とともに、今年1月に埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)にオープンした店舗「おかし屋マーブル」についてPRしていただきました。

 今回、その新店舗「おかし屋マーブル」を訪問し、代表理事の若尾明子さん(写真右)、広報担当の谷居早智世さん(写真中央)、店長の浜本由里子さん(写真左)にお話をうかがいました。

おかし屋マーブル店頭にて 若尾さん 谷居さん、浜本さん 写真

● クッキープロジェクトとはどのような活動をしているのですか?

 ふだんの暮らしの中では知り合う機会が少ない人同士が、クッキーを通じて出会い、障がいのある人もない人も、会社員も学生もフリーターも、大人も子どもも、いろんな人が「まぜこぜ」になって暮らす社会をめざし活動しています。

 具体的には、福祉作業所の商品開発支援としての学習会「PR塾」を毎年企画し、その学習成果を「クッキーバザール」で発表しています。

 見た目も味も魅力アップしたクッキーを、もっと、福祉関係者以外にも広く届けようと、地元企業さんにもご協力いただいています。オフィスの一角やレジ横などに販売スペースをご提供いただく「置きクッキー」によって、販路も少しずつ拡大してきました。

● PR塾について詳しく教えてください

 そもそも活動のきっかけは、平成19年10月、NPO法人ハンズオン埼玉の呼びかけによるもので、当時、私(若尾明子さん)は、ハンズオン埼玉でこの事業を担当していました。福祉作業所の手作りクッキーを、「かわいそうだから買ってあげる」という、いわゆる同情買いではなく「プレゼントしたくなるクッキー」にしていこうと仕掛けたのが、連続講座「私たちだからできるPR塾」でした。広告プランナーやデザイナーを招いて「パッケージデザイン」のワークショップをしたり、ホテルシェフを招いて味の勉強会をしたり、商品力アップを図ってきました。

 連続講座での学びの成果をお披露目するのが「クッキーバザール2008」。平成20年2月、浦和駅前のショッピングセンター浦和コルソで、販売会を初めて開催しました。「売れ残ったらどうしよう」という福祉作業所らの不安とは裏腹に、商品は飛ぶように売れ、あっというまに完売となり、40万円を売り上げました。

 その後も、味やデザインだけでなく、地域ブランド商品の開発や、ラッピング、ディスプレイ、接客など、毎年テーマを変えて、講座とバザールが年に1度、継続的に開催されています。そして、平成22年8月にNPO法人ハンズオン埼玉の1プロジェクトから独立し、平成28年6月に特定非営利活動法人クッキープロジェクトを立ち上げ、活動を続けています。

● おかし屋マーブルとはどのようなお店ですか?

 「クッキーおいしかったわ、普段はどこで買えるの?」というお客さんの声になかなか応えられなかったこともあり、福祉作業所のクッキーをいつでも届けられる常設店をつくりたかったんです。

 活動開始から10年目の節目の年にオープンした常設店舗「おかし屋マーブル」は、高度医療を必要とする子どもたちが通院・入院している病院の中にあります。患者さんや患者家族の方たちに「ほっとできるおいしさ・空間」を届けたいと願ってつくられた店です。

 県内の福祉作業所19カ所でつくられた焼き菓子のほか、革細工のキーホルダー、キラキラブレスレット、障害者アートのポストカードなどのユニークな雑貨も販売しています。病院の再来機横という立地もあり、ナチュラルで楽しいディスプレイに引き寄せられてか、子どもたちが立ち寄って買い物を楽しんでくれています。病院内で唯一のギフトショップと言うことで、「家で兄弟の面倒を見てくれているおばあちゃんにあげよう」「学校を休んできたから、先生におみやげ買っていこう」など、プチギフトとしてもご利用いただいているようです。

おかし屋マーブル 店内ディスプレイの写真「おかし屋マーブル」店内ディスプレイ

 店舗の販売員は、大学生から退職シニアまで幅広い世代のスタッフがボランティアで活躍しています。また、同時に福祉作業所のメンバーが実際に店頭で販売したり、障がいのある人や生きづらさを抱えている若者が、店番をするなど就労訓練の場にもなったりしています。そういった多様な人の働く姿を、障がいのある患者さんやそのご家族に情報発信できることも、この店の役割の1つです。

● 最後に、チャリティー企画募集のPRをしていただきました

 「おかし屋マーブル」は、福祉作業所の商品という特殊な商品を扱っているため、注文から納品まで時間がかかり、販売手数料の設定も薄くなりがちです。ゆっくりな人たちで丁寧に手作りしているため、50個単位の注文でも1週間前に注文してやっとという納期です。そこで、安定的な運営のため、会員や地元企業の支援を受けて活動しています。

 例えば、設立当初から応援いただいているパレスホテル大宮さんからは、シェフ特製のチャリティ弁当を病院内で販売し、その売上げをマーブルの運営費として寄付いただくなどの支援を受けています。私たちは、本業を活かしたチャリティ企画で応援してくださる企業様を随時募集しています。

特定非営利活動法人クッキープロジェクト ホームページ

http://www.cookiesproject.com/