サイト内検索
トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成26年度 NPO訪問 > 特定非営利活動法人ヒールアップハウス

特定非営利活動法人ヒールアップハウス

NPO法人ヒールアップハウスは、川口市精神障がい者家族の会の願いから、主に精神障がいを抱える方々の社会参加を実現する場として、平成14年9月に設立されました。今回は、川口市北園町で同法人が運営する福祉サービス施設「晴れ晴れ」(就労継続支援B型)を訪問し、施設長の石崎美智さんとサービス管理責任者の相原芳江さんにお話を伺いました。

 

               ☆★「晴れ晴れ」とは☆★

NPO法人ヒールアップハウス晴れ晴れのパンと新聞バッグ晴れ晴れ店頭の黒板に「手作りの新聞バッグにお入れします」との掲示。

 NPO法人ヒールアップハウス「晴れ晴れ」では、障がいのある方々が、パンやクッキーの製造販売を行っています。営業時間は11時から午後3時半までですが、毎朝6時から生地の仕込みを始めて、丁寧に成形して、焼きあげます。

 パンやクッキーを購入すると、古新聞を有効利用した手作りのかわいらしいバッグに入れてくれます。古新聞でこんなに素敵なバッグができるの?と、誰の眼にもとまる新聞バッグを目当てに訪れるお客さんもいます。 

 

☆★地域とともにあるパン屋を目指す☆★

 

 パンやクッキーの原料は、できる限り地産地消で地元埼玉県産にこだわっています。また、油や卵を極力使わず、粉、砂糖、塩、酵母、水だけで作ったパンを提供。これらの原料に切り替えてから、製品化するまでに、約1年、失敗を重ねながら試作品を作り続けました。

 昨年1年をかけて、商品や品質、衛生管理の見直しを始めたところ、「晴れ晴れ」という施設の在り方そのものも見つめ直すことになりました。「住み慣れた所にずっと暮らしていきたい」、「地域で暮らすということをもっと大切にしたい」というスタッフ、利用者皆の思いから、「地域に生きること、地域と共にあること」をもっと打ち出して行こう」という結論に至りました。 そんな思いを表すため、デザイナーさんとともに試行錯誤してロゴマークも作成しました。“harebare”の下には、さりげなく“saitama” の文字が刻まれています。

 

          

 

☆★焼き菓子コンテストで優勝★☆

 県産米粉と狭山茶を使用して開発したクッキー「茶葉丸」が、県内福祉作業所が製作する焼き菓子コンテストである「Premium Quality Cup 2014 in SAITAMA~第5回焼き菓子コンテスト~」(6月21日、パレスホテル大宮にて開催)で、優勝を果たしました。米粉のサクッとした歯触りと狭山茶の茶葉の風味が楽しめます。NPO法人では初めて、精神障害のある方の施設としても初めての受賞で、開発に関わった方々の大きな励みになりました。

 

☆★女性が力を発揮できる職場づくり★☆ 

 おしゃれな店舗、新聞バッグやパッケージ、「晴れ晴れ」のこれらの企画には、女性の視点が大きく生かされています。利用者の半数、スタッフの約8割が女性です。

お店を訪れたお客さんに、しばしば、「なんで、こんなにおしゃれなんですか?」と聞かれるそうです。「なんで?と言われるのは、福祉施設だからという先入観からなのでしょうか。そのまま、『おしゃれなお店ですね』と言っていただけるようになりたいです。」と、石崎さんと相原さん。石崎さんは、施設長の立場から、「福祉の職場は、女性の割合が高いので、女性の力をより生かして働いてほしい。女性は出産や育児など、家庭や子どもの事情で休むこともありますが、休む時でも、『晴れ晴れ』の一員として、他のスタッフへの気遣いを忘れないでいてくれるよう日頃から伝えています。」と語ってくださいました。

 

 

<9月13日~14日「SAITAMA Smile Womenフェスタ2014」
(さいたまスーパーアリーナ)にも出展中の相原芳江さん>

(平成26年10月 M.K.)

 <参考>
特定非営利活動法人ヒールアップハウス : http://www.healuphouse.org/