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特定非営利活動法人 織の音アート・福祉協会

活動レポートでは、NPOを訪問して、その活動を紹介しています。
今回は、織物を活動のベースに障害者の自立と地域参加に取り組む(特)織の音アート・福祉協会を紹介します。

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  特定非営利活動法人 織の音アート・福祉協会

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              ◆NPO紹介◆

 さいたま市北区宮原町で障害者福祉サービス事務所の「ひびき」や「織の音(おりのね)工房」などを運営しています。下請け作業ではなく、障害者が生き生きと働く場の提供を目指して、設立当初から‘織物’に着目、手織り製作に取り組むほか、手作りパンにも取り組み、直営店舗「日々喜」で販売しています。
個人の感性と創造性を最大限に発揮した自立と社会参加の実現を進めています。
平成24年度埼玉県新しい公共支援事業で、新たな拠点として「日々喜」の隣に、「織の音まゆ・紡ぎ工房」も整備しました。

<販売常設展「日々喜」>

事務所訪問の前に、宮原駅西口から商店街を北に徒歩2,3分という好立地にある直営店「日々喜」に立ち寄りました。(さいたま市北区宮原町3-481-2) 

 


 

店内は明るく、かわいらしい小物でいっぱい。

 



 


毎週木曜日は、手作りパンの販売日。
ケースには、焼きたてのパンが並びました。
(パンの販売は毎週木曜日11:30~)

 

 


種類もいろいろ。クッキーもさくさくです。

 

 

 

 

さて、いよいよ「日々喜」の近くにある「織の音工房」兼事務所を訪問。

玄関には、『織の音手織り研究会』の札が。

 

 

 

玄関付近の棚には、手織りの作品が展示され、ちょっとしたショールーム空間。


 

 

 

 

 

壁一面に、色とりどりの糸が並び、織物工房らしい雰囲気です。


 

みなさん、各自の作品づくりに熱中しています。

 

 

 

 

 

 

 

事務室では、坪井会長と金理事長(写真)が迎えてくださいました。

 

 

 


 

 

(熱心に作業されていますね。)

― 皆、本当に豊かなアートの才能を持っています。カラフルで、素晴らしい作品を作ります。地道な‘織る’作業をこつこつ続けられること自体が、素晴らしい才能だと思います。私にはとてもできませんから。

織物ではなくて、パンを焼くのに向いている人もいて、その人はパン焼きをしています。  

(下請作業ではない就労環境の提供を目指していると伺いました。)

― 福祉の作業所にありがちな、単純作業で暗いイメージではなくて、自分に向いているところで才能を発揮できれば、ずっと前向きに取り組めて、生活も向上します。作品は、販売して、賃金になります。でも、“障害者の作ったものだから、買ってあげよう”というのではなくて、“きれいだから、かわいいから、欲しいから”買ってもらえるような作品づくりを目指して、頑張っています。パンもとてもおいしいですよ。食べてみてくださいね!

 織の音工房では、毛糸や綿を使って、ショールやマフラーのほか、ボランティアの方々の手を借りて、ポーチなどの小物や造花などの製作も行って、工房や日々喜、イベントなどで販売しています。

 ☆★☆

<生糸に挑戦!>

平成24年度に、埼玉県新しい公共支援事業の助成金を得て、さいたま市北区障害者生活支援センター、さいたま北商工労働組合、NPO法人川越きもの散歩と連携して「埼玉県産いろどり繭を守る会」を結成、新たな試みへの挑戦を始めました。

 それは、秩父産‘いろどり繭※’から生糸を採取し、その生糸で作品を製作するというもので、衰退する養蚕文化の継承にも一役買っています。



 商店街の空き店舗を改装して「織の音まゆ・紡ぎ工房」を 開所(平成24年11月)。生糸を作成する機械を導入し、繭から生糸を紡いでいます。

(定期的に繭を仕入れるのですか?)
ー 春の繭は一番栄養がよくて1年を通じて最も良い繭ということなので、1年分を買って、週に3回、紡ぎ工房で生糸を作っています。1日作業してでできるのは、100グラムです。

 

いろどり繭から紡いだ絹糸で製作したコサージュ (1日100グラムしか採れない?)

― 機械が1台なので。作業直後は200グラムくらいありますが、乾かして水分が抜けると100グラムくらいになります。

(絹のマフラーなど製作しているのですか?)

― とんでもない、マフラーまでは、とても無理です。織るときに、何度も糸がすれて途中で切れてしまうんです。コサージュやコースターなど、小さなものは作って、販売もしています。

 

    

     いろどり繭から紡いだ絹糸で作ったコサージュ              

(どんなところが難しいですか?)

― 生糸を始めたときは、軽い気持ちでしたが、やってみると生糸は本当に「生きている糸」でした。

温度や縒(よ)り方によって全然違うものになりますし、その日の気温や湿度によってもお湯の温度を変えたり、細かな調整が必要です。

 

 

だいたい安定するまでに10年はかかるそうですから、少しずつみんなで勉強していきます。 

 

(奥の深い目標ができたのですね。楽しみですね、頑張ってください。)

 

(取材:MK / 平成26年4月)

 
(ストールの試作品)  

絹糸で織ったストール・試作品

 

 

 

 

 

 

(特)法人織の音アート・福祉協会(NPO情報ステーション内)
http://www.saitamaken-npo.net/database/kyoudou/group.php?mode=detail&id=060822163204 

 平成24年度の活動レポート「埼玉県産いろどり繭を守る会」
http://www.saitamaken-npo.net/html/report/npo_1/h24houmon_irodori.html 

※いろどり繭:埼玉県で育成したオリジナル蚕‘いろどり’は、埼玉県のみで飼育されています。‘いろどり繭’は、淡い黄緑色(笹色)でこしやはりがあり摩擦に強い特徴があります。
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/909-20091209-210.html