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トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成23年度 NPO訪問 > かすかべ景観アートプロジェクト

かすかべ景観アートプロジェクト

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かすかべ景観アートプロジェクトは、宿場町として栄えた春日部駅東口地区の
かつての景観を、商店街のシャッターや外壁に描くことで、町の歴史や文化を今
に再現するものです。古い街並みや風情が残るこの地区を、春日部の新たな観光
資源とするべく、NPOや行政、企業、地元商店街などが一丸となり、アートに
よって「人」と「町」と「歴史」を繋ぐ取り組みがはじまりました。
 今回は、かすかべ景観アートプロジェクトを推進している(特)埼玉就業支援
システムの越谷治さん、(有)ビッグアートの奥村昇さんにお話を伺いました。

 

◆シャッターアートによる歴史文化の再発見◆
 江戸時代、日本橋から数えて日光街道の4番目の宿場「粕壁宿」として栄えた、
現在の春日部駅東口地区。大型商業施設などが立地する西口地区に比べ、東口地
区には宿場町として面影を残す古い民家や蔵造りの商店などが、今なお残ってい
ます。しかし、人口流出・流入の激しい首都圏のベッドタウンである春日部市は、
こうした町の歴史や文化などを知らない住民の方々も増えています。
 そこで、町の歴史や文化を住民自身に知ってもらうため、地域の歴史資料を選
び出しながら、商店街のシャッターなどに「粕壁宿」をモチーフにした壁画を描
き、宿場町の風情を演出する景観づくりを進めることになりました。

 

◆かすかべ景観アートプロジェクトの反響◆
 現在、東口地区9箇所に描かれている「日光街道・粕壁宿」のシャッターアー
ト。地域にゆかりのあるテーマを題材として、シャッターのオーナーの希望も伺
いながら、2週間以上かけて1つの作品を仕上げていきます。
 周囲の反響も徐々に大きくなってきており、今ではシャッターアートを目当て
に商店街を訪れる人も増えてきているそうです。こうした盛り上がりを受け、住
民や商店街が主体となり、シャッターアートを観光資源とした様々なイベントや
企画も計画されています。

 

◆アートの街に向けて◆
 アートが地域に根付きつつある今、プロジェクトは次の段階を目指します。そ
れは、地域にアーティストの雇用を生み出すという目標です。今回、「かすかべ景
観アートプロジェクト」では2名のアーティストを新規で採用しプロジェクトを
進めています。将来的には地域が若手のアーティストを育てていけるような、ア
ートの街を作っていきたいと考えています。
 奥村さんは、「このプロジェクトを担う若いアーティスト達によって、地元の人
たちの心が少しずつ変化してきています。今、地域を変えられるのは、「ばかもの・
よそもの・わかもの」です。若いアーティスト達が育っていけるような、仕事と
場を生みだすため、草の根的な活動を続けていきたいと思っています」と、話し
てくださいました。

 

◇訪問を終えて◇
 かすかべ景観アートプロジェクトではシャッターアートに加えて、春日部文化
劇場(※2006年閉館)跡地周辺に、名作映画をモチーフにした看板の設置も
進めています。
 街中がアート作品で一杯になりつつある春日部駅東口地区。芸術の秋、是非、
足を運んでみてはいかがでしょうか?

  

作品の一部がご覧いただけます。

http://blog.goo.ne.jp/caba_note/e/da368e83e237686a736f38cd75052789

 

春日部商工会議所会報誌「かすかべCCI NETWORK 10月特別号」
(※p6にシャッターアートのMAPが紹介されています)

http://www.kasukabe-cci.or.jp/ccinetwork/2011.10ccinetwork.pdf

 

(平成23年10月取材)