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トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成23年度 被災地・避難者を支援する県内NPO > 東松山震災ボランティアの会

東松山震災ボランティアの会

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東松山震災ボランティアの会は、東日本大震災の復興支援のため、今年の4月
に設立された任意団体です。有志を募り、「チーム東松山」として宮城県東松島市
へのボランティアバスの定期運行を実施しているほか、市内で「げんきマルシェ
(※)」に出店し、福島県や茨城県の安全な野菜の販売を通じた農業者の支援や、
福島からの避難者の雇用支援なども行っています。

 今回は代表の松本浩一さんにお話を伺いました。

(※)げんきマルシェとは、東松山市の各商店街等で毎月実施されている自由市。
地元のこだわり野菜(有機・無農薬・特別栽培)の販売や、地域の子どもたちに
よる就業体験など様々なイベントが催されている。

 

◆宮城県東松島市へのボランティアバス運行◆
 東松山震災ボランティアの会は、3月11日の東日本大震災をきっかけとして、
コミュニティ・カフェ「まちカフェ」メンバーを中心に4月に発足した団体。4
月22日からボランティアバスの運行を開始して以降、多くの市民の協力により、
ほぼ毎週のペースで被災地の1つである宮城県東松島市にボランティアを送り続
けています。現在、計14回の災害ボランティアバスツアーを実施し、延べ30
0名を超える災害ボランティアが東松島市で活動しました。
 こうした災害ボランティアの盛り上がりを受けて、先月26日、東松山市と東
松島市との間で災害応援協定覚書が締結されました。震災をきっかけとした両自
治体の市民同士の関係は一層深まっていくことが見込まれています。

 

◆被災地で生きた高校教師の経験◆
 東松島市での活動は主にがれきの撤去や泥出しなどです。被災地での活動を安
全かつ円滑に実施するために、事前の入念な準備は欠かすことができません。現
職の高校の教師である松本さんは、こうした中、初めての被災地支援に「教師と
しての経験が生きた」と話します。団体行動のノウハウや、あらゆるリスクへの
対処法など教師生活で培った経験知は、ボランティアバス運行の向けての下見や
関係づくりに大きく役立ったそうです。
 被災地ではがれきの撤去作業がまだまだ進んでいない場所が多く残されており、
今尚、多くの人手を必要としています。松本さんは言います。「がれきと言っても、
元々はそこに住んでいた人々の大切な品々。亡くなられた方々の遺品なども多く
残されており、作業を進めるたびに胸を締め付けられるような気持ちになります。
しかしその分、活動の意義をとても感じています」。

 

◆次につなげるということ◆
 今の日本は長期的に見れば、いつまた今回のような大震災が起こるか分からな
い状況にあります。だからこそ、次にこういった震災が起こった場合に、今回の
経験を活かすことが重要です。そのため、このボランティアバスの目的は被災地
の支援のみならず、「いつ起きるとも知れない災害に対し対応できる、必要な人材
を養成していく目的もあるのです」と松本さんは語ります。このような思いから、
行田市の特定非営利活動法人キャンパーなどとともに、「埼玉ボランティアバス
協議会」を7月に立ち上げ、ボランティアバスが県内各地から長期に渡って継続
できる体制づくりにも取り組んでいます。
 また、会では、被災地の人々との関係が築かれた今、被災者自身から震災の記
憶を聞き、記録として残していく活動を検討しています。記憶から記録へ、この
震災の経験が次の世代に生かされるように、新たな取り組みが始まっています。

 

◇訪問を終えて◇
 この取材の後、当課の職員も、埼玉ボランティアバス協議会との共催での石巻
市鮎川ツアー(第1回)に参加させていただきました。今回は石巻市の牡鹿半島
鮎川浜近くでの畑の瓦礫撤去と被災地視察でしたが、市街地より距離のある地域
の復旧活動が遅れていること、そしてまだまだ多くのボランティアが必要とされ
ていることを痛感したとのことでした。
 本格的な復興へは長い道のりですが、震災から半年経った今、こうした支援が
積み重なって、確実に復興に向かいつつあります。

 

 

東松山震災ボランティアの会「チーム東松山」ホームページ

http://thm.hiki.tv/

 

東松山震災ボランティアの会の拠点となっている

コミュニティ・カフェ「まちカフェ」ホームページ

http://www.ksky.ne.jp/~m-cafe/

 

「東松山げんきマルシェ」のホームページ

http://marche.hiki.tv/

 

(平成23年8月取材)