(特)志木総合型地域スポーツ・レクリエーションクラブ(以下、クラブしっきーず)は、スポーツに親しみながら、年齢・性別を問わず多様な人々が交流する、地域スポーツクラブです。「出会い・交流・健康」をキーワードに、発足から10年以上が経った現在も新たな活動の輪を広げ続けています。 今回は、理事長の増田さん、事務局スタッフの塩谷さん、間曽さんにお話を伺いました。
◆ 地域の課題 ◆ 都心まで電車で20分という好条件から急激に都市化が進んだ志木市は、東京圏のベッドタウンとして多くの人口を抱えています。しかし、他都市からの多くの人口流入は、地域との関係の希薄化や、核家族化に伴う子育て家庭の孤立といった課題も生じさせています。 こうした地域課題を背景としてクラブしっきーずでは、スポーツや多様な文化活動などを通じて、様々な年代の人々が一緒に汗を流し、これまでふれあう機会の少かった住民同士が、楽しんで交流する場を提供し続けています。
◆ 「タテとヨコ」から「ナナメ」の関係へ ◆ 昨年度の「NPO活動サポート事業」では、「ふれあい110番ウォーク」として月に2回、小学生を対象としたスタンプラリーを実施しました。「ふれあい110番」とは、子どもたちがトラブルに巻き込まれそうになった時、助けを求めてかけ込むことができる家を指定するもので、地域の自治体やPTA等が中心となり設置しています。 このスタンプラリーでは「110番の家」として登録されている家々を、地域の人々とふれあいながら、小学生達がグループで巡ります。こうした、小学生が地域の人々とも顔見知りとなる機会を通じて、地域の防犯機能を強化するとともに、「子育て環境としてタテ(親)とヨコ(同年齢)だけの人間関係のみならず、ナナメ(町で暮らす多様な人)の関係をつくることができました。」と増田さんは言います。
◆ 今後にむけて ◆ 志木市では世帯の少子化、核家族化が増加する一方で、最近では、高齢となった親を呼び寄せ、一緒に暮らす世帯も増えています。その影響で地域に馴染めないまま孤立してしまっている高齢者も増えているのだそうです。 「Sport(スポーツ)の語源は、Disport(気晴らし、楽しみ、遊ぶ)から来ています。その地域のために何が出来るのかを考え、その場の状況を楽しみながら、どんどん進化していきたいと考えています。」と増田さんは語ります。地域が抱える課題は尽きることがありませんが、地域の共助の担い手となるNPOの存在が、地域の下支えとなっています。
◇訪問を終えて◇ 非常に暑い夏の日の取材となりましたが、それ以上に熱いお話を伺うことができました。スポーツや運動を通じて一緒に汗を流すことは、交流はもちろん、健康維持にも最適です。まだまだ暑い日が続きますが、少し外へ出て、皆で汗を流してみてはいかがですか?ただし、熱中症には十分お気をつけください。
(特)志木市総合型地域スポーツ・レクリエーションクラブ ホームページ↓http://www16.ocn.ne.jp/~shikkys/
(平成24年8月取材)
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