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トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成23年度の助成団体に聞きました! > 特定非営利活動法人 西輿連

特定非営利活動法人 西輿連

 (特)西輿連は、川口市を中心として日本の伝統文化である「神輿(みこし)」の
普及や継承を目指し、活動している団体です。小中学生の子ども達からその親世
代まで、様々な年代の市民に対し、神輿の楽しさを伝えています。
 今回は、広報担当の太田真一さんにお話を伺いました。

 

◆ 伝統の衰退 ◆
 江戸時代、日光御成道の宿場町として栄えた川口市。鋳物、植木などの産業が
発展するとともに、多くの伝統文化が今に伝えられています。一方、荒川を挟ん
で東京都と接している土地柄、東京のベッドタウンとして定住する新住民も、非
常に多いのが特徴です。
 こうした人口流入の激しい地域性もあり、これまで育んできた伝統の継承がな
されていない現状にあります。そして、地域の財産として遺された神輿もまた、
その担ぎ手が居ないまま「衰退の一途を辿っている」と太田さんは言います。

 

◆ 子どもみこし教室 ◆
 (特)西輿連では、昨年度の「NPO活動サポート事業」を通じて、神輿とい
う伝統文化を次世代の子ども達に継承していくため、小中学生を対象とした「子
どもみこし教室」を実施しました。
 この教室では、神輿の担ぎ方や掛け声はもちろん、足袋の履き方や半纏のたた
み方なども学びます。こうした神輿の基本を通じて、日本の伝統文化について理
解を深めるとともに、周りと気持ちを合わせてやり遂げるということの大切さや
楽しさを味わう良い機会となっています。そして、「子どもみこし教室」によって
神輿を担ぐ楽しさを知った子ども達は、神輿を通じて地域の大人達とのつながり
が生まれたり、地域のお祭りに参加する機会が増えてきたりしているそうです。
 こうして、一度は廃れつつあった地域の伝統はまた、新たな担い手に受け継が
れつつあります。

 

◆ 神輿の担ぎ手を育てるために ◆
 地域の財産として、それぞれの地域で大切に受け継がれてきた神輿ですが、そ
の担ぎ手が年々減少し、神輿が使われないままとなってしまっている地域も数多
くあるそうです。こうした課題に対し今回の助成金は、神輿の担ぎ手養成を目的
とした指導者用DVDやテキストの作成にも活用されました。
 「神輿を通じて、日本の伝統文化の普及に取り組むとともに、町会や自治会、
学校などが一体となる協働の成果として、地域をつくっていきたい」と太田さん
は言います。
 指導者用DVDは、近隣の自治会や希望する団体に無償提供をしているほか、
埼玉県立図書館(浦和、熊谷、久喜)で視聴できるそうです。

 

◇ 訪問を終えて ◇
 夏が終わり、いよいよ秋祭りのシーズンがやってきます。各地で様々なお祭り
が開催されますが、それぞれの地域の伝統や文化が息づくお神輿にも是非、注目
してみてください。

 

(特)西輿連ホームページ

http://www.nishikoren.sactown.jp/

お神輿の指導者用DVDを無償頒布しています(学校や町会など、非営利の公共施設、または地域団体に限ります)

https://www.sactown.jp/happy/smile/nishikoren/od040020/index/1583

 

(平成24年9月取材)