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株式会社タムラ製作所×坂戸市学童保育の会

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 夏休みに入ったばかりの7月24日土曜日、坂戸市立住吉中学校の木工室に20人の小学生が集まりました。目的はハンダを使ってラジオを作ること。

 ほとんどの子がハンダごてを使ったことが無いとのことでしたが、タムラ製作所の社員・OBがスタッフとして一対一でサポートするので、大丈夫。ラジオから音が出た時は、どの子もとても嬉しそうでした。

 

◆子どもやスタッフの様子◆

 

 子どもたちは初対面のスタッフに対して、はじめは緊張気味でした。「ハンダごてでやけどをしないように」とか、「道具でケガをしないように」という注意が子どもたちの緊張感を高めたのかもしれません。しかし、隣に座って、一緒に取り組むうちに和やかな雰囲気になっていきました。(暑いからと扇いであげるスタッフもいました!)

 中にはハンダづけがうまくいかない子もいたようですが、スタッフがあっという間に問題を見つけ、「ここを直してごらん」とアドバイスをしたり、代わりに直してあげたりしました。子どもたちが尊敬の眼差しで見つめていたのも印象的でした。

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◆協働に至る経緯◆

 

 タムラ製作所では2年前から、「ものづくり教室」を実施してきました。今までは本社がある都内で実施しましたが、第3回は事業所がある坂戸市で行いたいと考えました。課題は参加者の募集です。埼玉県NPO活動推進課が相談を受け、坂戸市学童保育の会を紹介したところ、協働して取り組むことになりました。

 「ものづくり教室」の当日の運営はタムラ製作所が中心になって行い、子どもの募集や会場の調整などの準備は坂戸市学童保育の会が行うといったお互いの強みを生かす形をとりました。

 

◆タムラ製作所の感想◆

 

 過去2回の「ものづくり教室」とは異なり参加児童の過半数が女子であったこと、冷房のない部屋であったことなどから、これまで以上に気を遣いました。教室終了後、ほとんどの児童から「大変面白かった」との感想が得られ、当社スタッフにとっても貴重な経験ができ、充実したイベントとなりました。

 当社は埼玉県内に4か所の製造工場があるので、NPOと県、市の方に協力いただきながら、来年以降も工場周辺の未来を担う児童・生徒に「ものづくり」の素晴しさを伝える場を企画したいと思います。

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◆坂戸市学童保育の会の感想◆

 ものを作るという体験が少なく、既製品で育ち、壊れたら捨てるという文化が身についてしまっている今の子どもたちが、自分で物を作り上げる楽しさを味わうと同時に、壊れても直してまた使うことができるという考え方を持てる体験ができたと思います。ハンダごてやペンチを真剣な表情で扱い、1時間以上かけて作り上げたラジオの音が聞こえた時の表情は、どの子もとても輝いていました。

 タムラ製作所の方、ボランティアの皆さま、大変お世話になりありがとうございました。

 

 ◇訪問を終えて◇

 

 「子どもたちが喜ぶ顔が見たい!」という気持ちで取り組んだ「ものづくり教室」でしたが、子どもと同じくらい楽しんでいたのは一緒に参加した大人たちでした。6月号で紹介した「子ども大学かわごえ」や今回の「ものづくり教室」のような事例がもっと増えて、地域の大学や企業、NPOなどが教育に携わり、大人も子どもも楽しみながら学び合える社会になればと思いました。

 

 

(平成22年8月取材)