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子ども大学かわごえ

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 子どもが「なぜ?」と思うことを、大学教授をはじめとした専門家が丁寧に教えるために、川越の市民と大学の先生が立ち上げた子ども大学かわごえ。子どもたちの夢とロマンを育み、知的好奇心を刺激する活動のお話を、事務局長の酒井さんと事務局次長の竹澤さんにお伺いしました。 

 

◆どんな授業があるのか◆

 

 「なぜ飛行機は空を飛ぶことができるのか?」「なぜ多数決で決めるのか?」「なぜ電車の席は隅から埋まるのか?」「なぜハチの巣は6角形か?」といった、大人でも聴いてみたい講義が目白押しです。

「純粋科学的な『なぜ?』を追求することで、子どもたちの学ぶ力を育てたいと思っています。本来、学びとはとても楽しいことだと、私たちは考えているのです。」

 そして、子ども大学かわごえは「なぜ?」を追求する「はてな学部」だけでなく、キャリア教育の「生き方学部」、地域を学ぶ「ふるさと学部」の3つの学部構成されています。川越市内の住職さんや宮司さんが講師になる講座もありまた。

 

◆小学生が大学生になれる◆

 

 「子ども大学」なので、生徒のことは「学生」と呼んでいます。講義は、小学生の集中力を考慮して、1コマは50分にしています。この短時間に、大学の講義レベルのエッセンスを分かりやすく教える大学の先生方の力量には驚かされます。小学生の熱心な姿勢は講師の先生方にも新鮮な印象を与えているようで、毎回熱の入った講義が行われています。

 また、大学の先生が教えてくれるだけでなく、大学の教室で授業を行うことも、子ども大学かわごえの特徴です。東京国際大学、東洋大学、尚美学園大学、女子栄養大学といった川越周辺の大学との連携があったからこそ実現できました。

 

 DSCN0337.JPG池上彰氏による特別講義

◆子ども大学かわごえのはじまり◆

 

 大学の教室で、大学教授が専門分野を子どもたちに易しく教える「子ども大学」の取組は2002年にドイツのチュービンゲン大学で始まりました。事務局長の酒井さんが、この取組を知ったのは2007年。

 地元の川越でも子ども大学を実現させるにあたって、市民主体のNPO法人が事務局を務め、講師は取組に賛同する大学教授にお願いする、ドイツ式の運営を導入しました。そして、設立過程から意見交換を行っていた東京国際大学の遠藤克弥教授を学長として迎え、2009年にスタートしました。

 2009年1月から始まった第1期には116名、2009年9月から始まった第2期には100名の学生が入学しました。

 

◆学園祭としての「ミニかわごえ」◆

 

 2010年3月13日・14日には「子ども大学かわごえ」の学園祭として、子どもが主体となってまちづくりを行う「子どものまち”ミニかわごえ”」を催しました。子どもが「働く、お金を使う、税金を払う」ことを通じて市民生活の疑似体験ができるイベントで、地元の様々な方の協力で実施することができたそうです。

「同じようなイベントは他にも開催されているけど、子どものまちの隣におとな大学を作り、大人が参加できる仕組みを作ったところが特徴なんです。『バイオ・ナノサイエンス~虫の根性を見る!~』など、大人が興味を持てる内容の講座を開講したり、子どものまちの製品を買えるようにして、親子で話ができて、お互いに学び合えるようにしました。」

 minikawagoe.JPGテレビ局では知事も出演
 

◇訪問を終えて◇

 

 第3期は6月26日(土)から始まります。第3期は大学の先生だけでなく、「パソコンを壊してみよう!」や「川越の商工業」をテーマにした企業関係者による講義や、川越工業高校の生徒さんが先生になる「ものづくり教室」の開催を予定しています。

 子ども大学かわごえの取組では、子どもだけでなく保護者やスタッフなどの大人も学ぶことができます。この「地域学び合いの仕組み」が、他の地域にも広がっていくことを期待しています。

 

(平成22年5月取材)