シニアの仕事を創出~ビジネス助っ人隊~ この会が基幹事業にしているのが埼玉県の「団塊世代活動支援センター」との協働事業である「ビジネス助っ人隊」。これは2006年から始めたもの。また近年、地元の企業を対象に「ネットショップ」の運営支援もしている。この会で活躍している中高年は、長い会社勤めや企業で身につけたスキルを生かして自分で仕事を「創り出している」人たちだ。 「ビジネス助っ人隊」は自分たちの“ まち” に対して無関心な世代、特に50代以上の人に、街を知ってもらい、「誇りを持って街に生きて、街と接点をもって、ビジネスをしないか」と働きかけているという。 街に戻った人たち、現役時代には地元は“ 寝るための場所” で済んでいたが、リタイアして地元で過ごす時間が長くなると身の置き所がなくなる。都会とは勝手が違う。それでも身体は元気な団塊世代である。多くの人は徐々に地元意識が芽生え、社会参加や地域活動に参加してきてはいるが、自分を生かせる場がなかなか見つからないという。そこでこの会の存在が重要となる。 地元の商店街、企業にしても、ITなど新しい技術についてよく知らない、またスキルを生かす手立てがわからないという問題を抱えている。当団体では、高いビジネススキルを持つ会員が自分自身の提案で商店街の人たちや地元企業を支援するノウハウを提供している。
メンバーのスキルを生かす 「ビジネス助っ人隊」は、たくさんの小隊に分かれている。地域貢献を意識した提案と実践を行う「営業助っ人隊」「パソコン・IT助っ人隊」「まちおこし助っ人隊」「NPO助っ人隊」。専門スキルをもった仕事人集団「労務・教育助っ人隊」「流通助っ人隊」「映像助っ人隊」「ネットショップ助っ人隊」。そして最小限の支出でワンストップ支援を行う「ホームページ助っ人隊」「パンフ・チラシ助っ人隊」「経理・財務助っ人隊」「PR助っ人隊」。「○○隊」と隊がつくのは、スキルや特技でチームを組むことが多いからだ。集まったメンバーそれぞれの知識、スキルに応じた役割分担でチームを作り、目標に向かう。一人では出来ないこともみんなが知恵を出し合えば必ず道は開ける。苦労をともにすると仲間と連帯感も生まれるという。 常に、地元、地域と住民が“ まち” への参画意識を高める手立てはないか、行政と住民との役割分担はどうあるべきかとの手立てを考えて、ビジネスを創り出していく人たちをサポートするという主旨で活動しているのである。
やる気のある中高年を応援 会への参加は自由、どの分野の人も要はやる気の問題だ。「この指とまれ!の精神で来てもらいたい。しかし、そのなかでも正会員として会費を払って自分の仕事をしたいという人、さらにそのなかから自分がこれがやりたいと一歩前に出て来られる人を応援したいんです」とは前述の柴田さん。この会は、資金支援も行っている。けっして運営は楽ではないと思うが、たとえば地域活性化や障害者支援などのために「こんな事業をやりたい」と希望し信念のある事案には、企画提案書が理事会で承認されれば立ち上げ資金を20万まで提供するという。この活動、県域に広がりつつある。実現すれば中高年世代にとって朗報である。
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