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日本太鼓協会

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 2009年9月13日の日曜日、「あげお元気祭り」が開催された。その名のとおり、地元や地域の人々に元気を与える大きなイベントである。このお祭りは、特定非営利活動法人日本太鼓協会と地縁団体「遊憂彩彩」が共催し、地元商店街に働きかけてできたイベントだ。「日本太鼓協会」の諏訪幸男さんにお話をうかがった。

 

 

よさこいソーランと和太鼓を織り交ぜた一大イベントの開催 

 2009年のお祭りでは、よさこいソーランの団体32組およそ1,500人と和太鼓団体15組およそ200人でかつてない規模で開催され、上尾市長をはじめ、実に多くの観客がこの丸山公園に集まった。去年の観客の6,000人をゆうに上回る人の賑わいにその人気ぶりが伺える。 

tsunaga09_taiko.jpg2009年9月13日に行われた

「あげお元気祭り」の様子

 また、今回は「遊憂彩彩」の協力で臨時バスを運行した。地元上尾の老舗酒屋さんの協賛を得てお酒を販売し、その差額でバスを運行するというアイデアを盛り込むなど様々な工夫をちりばめたそうだ。前年度に、よさこいソーランと和太鼓をそれぞれの別の会場に分けたため、観客はそのどちらか一方しか観ることができなかったのだが今回の丸山公園では会場を3つに分け、よさこいソーランと和太鼓をそれぞれのエリアで同時開催した。これによってより多くの人が観たい会場へと自由に行き来できるようになったのだ。

 このお祭りの中には観客と一緒になってイベントを盛り上げる場面が数多くある。その目玉のひとつが一般の方も気軽に楽しめる、フィナーレのよさこいソーラン踊りである。観客も出演者も自由に参加できる盆踊り形式で、とても楽しいものになった。最後には皆さんで一緒にゴミ拾いを行い、地域が一体となってこのイベントを締めくくることができたそうだ。

 

周囲の理解と協力や太鼓団体同士のネットワークを

 また、日本太鼓協会では、この「あげお元気祭り」を含め、様々なイベントを開催して、できる限り太鼓を広める活動を行っている。2008年1月6日にはさいたまスーパーアリーナで「和太鼓日本一決定戦」を開催した。およそ13,000人の観客で、屋内太鼓イベントとしては国内初の大規模イベントになった。外務省や文化庁の方々も訪れ、優秀者には文部大臣賞も贈られた。様々な場所で太鼓祭りを開催し、福祉施設や季節のイベントにも協力している。

 ただ、積極的に活動していてもひとつ大きな課題を抱えるそうだ。それは練習場所の確保だ。太鼓の音は迫力があり、腹の底からみなぎるようなパワーを与えるが、それゆえに住宅地付近では音を出しにくく練習場所の確保がままならない。ひとつの解決策として、さいたまスーパーアリーナの5階に常設のスタジオ「すわんど」がある。この「すわんど」では太鼓ライブなども行えるほか、スタジオのレンタルや、太鼓レッスンなども行っている。

 このように練習場所には周囲の理解と協力が必要であり、太鼓の持つ魅力や楽しさをもっと広めていくことが大切である。

 また、太鼓団体同士のネットワークも、太鼓を広めていく上で非常に重要な要素だという。横のつながりが薄くなかなかお互いの団体を意識していないケースが見受けられるそうだ。それぞれの価値観も大切だが、新しい風を取り入れることも悪いことではない。お互いがお互いを意識し、切磋琢磨しながらともに協力し合える関係を築くことができれば太鼓全体がさらなるパワーを身につけ、今よりずっと地域に浸透していくことができるのではないか。

 

☆協働相手からの応援コメント☆
遊憂彩彩 泉雪氏
 「遊憂彩彩」代表の泉さんは、2000年に地元北海道に帰省した時に初めてよさこいソーラン踊りに触れ大変衝撃と感銘を受け、埼玉へ戻った後、早速その足で団体を設立したそうだ。
「楽しさを伝えてもっとよさこいを広めていきたい。よさこいを広めるためには楽しいと思う気持ちが大事。実際に触れて肌で感じることで、たくさんの人たちと信頼関係ができ、大きな“ わ” ができる。“わ”というのは、平和の「和」でもあるし、人の「輪」ある。それが何より大切です」