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資産相談センター

「資産相談センター」は、長年相続問題に取り組んできた人々が集まって立ち上げた。この会は、2003年12月に設立、相続や動産・不動産の資産についての問題を抱えた団体や個人に対して、資産に関する専門家集団が、問題解決への助言や支援をしてくれる。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士、ファイナンシャルプランナーなどメンバーは多士済々。プロ集団だけでなく、地域活動、市民活動を実践する意識の高いの人達も加わっている。負債の解決にも力をかしている。初回の相談は無料、具体的に問題に取り組む場合は、相談の上、必要な経費は有料となる。

 

楽しく老後を、高齢者のネットワークを作ろう

 この会が取り組んでいる高齢者による高齢者のための自己啓発・社会参加推進事業は3つのテーマを柱に、地域に高齢者のネットワークを作ろうという事業である。3本の柱というのは「シニア生きがい倶楽部」、「楽しみ投資倶楽部」、「ご長寿相談倶楽部」である。「シニア生きがい倶楽部」は、地域で活動している市民団体やNPO団体などを紹介し、同じ目的の仲間を見つけたり、趣味を生きがいにする方法を模索したりの仲間づくりが目的。「楽しみ投資倶楽部」は、ファイナンシャル・プランナーと一緒にライフスタイルに合わせたお金の増やし方や投資について楽しく学習する参加型倶楽部。「ご長寿相談倶楽部」は、高齢者または高齢者を持つ家族の問題に対して健康・医療・介護・認知症・住宅・高齢者施設の利用方法・相続等の法律手段を専門家に相談できる倶楽部だ。

 この3つの事業の取り組みはネットラジオの手法で「しらこばと長寿社会福祉基金助成事業」として実施した。

 ネットラジオとは、スタジオ収録されたコンテンツ(番組)をデジタル音声化し、インターネットでオンデマンド配信するラジオ番組のことである。インターネット接続可能であれば、通常のラジオと違い、ホームページにアドレスを入れてアクセスすると何時でも何処でも何度でもアクセス可能である。

tsunaga09_shisansoudan1.jpgネットラジオの収録風景

 

NPOを支援するNPOである

 この会は2006年に埼玉県からの委託を受けて、NPOの活動強化を目的に「NPO運営力強化・育成支援事業」を実施した。NPOのマネジメントのためのセミナーを8回、税務相談を計25回、埼玉県内各地で開催した。また、セミナーではNPOの第一人者を招き、ミッション(任務・使命)達成の目標、それに沿った事業化についてなどの講演を行った。この会で受ける相談は、税務・会計に関するものが多いという。NPO法人の会計は民間企業と違う部分があり、税理士、会計士でもわかりづらいといわれている。2008年度には埼玉県の委託で「NPO税務会計・人事労務相談会」も実施した。資金が潤沢であったり、事業が軌道に乗った団体からの給与や年金の処理などの人事労務管理に対する相談もあったという。

 理事長の河崎陽子さんに課題や苦労を伺ったところ「NPO法人のほとんどが抱えている悩みは、やはり活動資金の確保。会員メンバーの会費だけでは団体を維持継続していくにはつらいものがある。しかし、資産相談センターには優秀な知識やスキルを持った専門家集団が揃っているので今後とも市民からの相談を受ける従来の活動とともに頭脳とスキルを結集して当センターの趣旨に沿った収益性もある事業を立ち上げていきたい」と意欲的だ。

 河崎さんは「まあ満足いく活動が出来ています。でもメンバーのみんなに無報酬で活動してもらっていることに、ちょっと心が痛む。NPO=ボランティアと思っている方がまだまだ多くて」と苦笑する。今後やりたい事はとの問いに「核家族や高齢化が進み地域に空き家が増えています。無住の家は荒れるし安全性も失われます。結局は地域が荒れ人間関係も失われてしまう原因となってしまう。それを改善して生き生きとした地域を守ってゆく活動をしたい。大きなことなどで他の団体や企業、行政そして地元に住む人々との協力が必要」と。それだけにやりがいを感じるそうだ。