サイト内検索
トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成21年度協働事例集 > 志民アシストネットワーク

志民アシストネットワーク

 

tsunaga09_shiminassist.png

 

川口大古着まつり。リサイクルの大切さを

市民が理解するよい機会となっている

みんながホッとくつろげる民間の公民館

「ひだまり」の店内

 「志民アシストネットワーク」は、個人が尊重され人間らしく生きられる地域の実現を目指す「志民」の会だ。 

 前身は、中高年の生きがい探しをコンセプトにしたボランティア団体「ティンカーベル」である。1996年9月に設立され、様々な講座や勉強会をはじめ、公園の花壇の管理、アジア、アフリカへの衣料援助、行政や商店街と組んだフリーマーケットなどのリサイクル活動などに取り組んできた。しかし活動を展開するうちに、行政や企業と連携する上で、任意団体であることに限界を感じ、2002年10月に法人の認証を受けてこの会は再びスタートした。

 

 

マンションと近隣のコミュニティができた

 「志民アシストネットワーク」では、大手デベロッパーと協働して、マンション住民と近隣住民とのコミュニティをつくる「コミュニティ形成支援事業」に取り組んでいる。

 「地域の人達の“居場所づくり”をしています」と会の理事を務める山田たみ子さんは語る。居心地のいい街は地域コミュニティがうまく機能していて、充実した暮らしができる。しかし、大型マンションの建設が始まり、大量の新しい住民が地元に移り住んでくると状況は変わる。そこで、マンション建設企業と地域住民との架け橋が必要になるのだ。

 2003年、川口市内に大型マンションが計画され900家族およそ3,000人の新住民が生まれることになった。計画した企業の提案でこの会が仲介役となり、企業と地域の自治会・住民との話し合いの場がつくられた。そして、入居する人達と地元の人々との間での良好なコミュニティづくりについて意見が交わされた。この話し合いは、建設開始のおよそ2年前の2004年、青写真のできたころから開始し、どうしたらマンションが開かれたものになるか、マンションが地元にどう関わればよいか、を徹底的に話し合った。その結果、企業が地域を理解しNPOが主張するコミュニティづくりが共感を得られたという。これまでこの会が地元で続けてきた活動実績も評価されて話し合いは順調に進み、竣工後はマンション住民が地域に溶け込むことに成功、親しい近所づきあいが少しずつはじまっている。マンション内には広い公共スペースがとられ、ここを利用したサークルやイベントが立ち上がり、マンション住民と近隣の人が一緒に楽しむことで自然な形でスピーディに交流が図れているという。今では20以上のサークルが活動しているとのこと。

 

NPOのネットワークを広げたい

 2005年、この会は「川口市市民提案夢づくり基金」からの助成を受け、川口市内のNPO法人の活動を紹介するホームページを立ち上げた。1件でも多くの団体を紹介することでネットワークを広げ、寄附や賛同者を増やし、新たなボランティアや事業のきっかけにしていきたいと会では考えている。

 また、2009年からは古繊維回収業者の組合に協力してもらい「川口大古着まつり」を開催している。古着の販売、回収、古着リサイクルの啓発、子ども服のチャリティ販売、フリーマーケット、縁日コーナーなど有益で楽しい催しを行い、売り上げはバングラデシュなど海外の貧困地域の教育のために役立てているという。

援助の知らせに喜ぶバングラディッシュの人々

 

☆協働相手からの応援コメント☆
埼玉中央ウエスト商工業協同組合 理事長 橋本寛氏
 「古着市」は数多くありますが、それらは生活の糧を得るための活動に過ぎません。しかしこの「川口大古着まつり」はリサイクル活動市民の会やNPO法人志民アシストネットワークとの協働作業であるという点で全く異なります。また、そこで行われたチャリティ活動で得られた資金が恵まれない人々の助けになることは、組合活動の大きな励みとなります。さらに、古着の回収を行っておりますが、これもまた新たな故繊維回収ルート開拓の萌芽と考えております。こうした様々な観点からNPO法人との協同活動はなくてはならない重要な組合活動となっております。