まちづくり楽会
「風と土の館・野田」とは 「まちづくり楽会」の活動拠点は、東松山市野田にある「風と土の館-野田」。 300坪の敷地に建つ大きな古農家だ。広い座敷で代表の石川さん、理事の松本さん、屋代さんにお話をうかがった。 この会の前身は1995年設立の「緑風ネットワーク21」。これは、男女共生参画社会や市民参加の公園づくりをテーマにまちづくりを考え、公園などの実地調査等を基本としていた団体である。公園を調べればそのマチが見えてくる、との視点でまちづくりのあり方を学習し、提言してきた。 そして2003年に埼玉県より法人の認証を受け、その後は多角的運営によって活動の幅を広げてきた。 石川さんいわく「2007年にグリーンツーリズムという観点での活動拠点を探していたところ、東松山市野田地区に古い農家があり、後継者難のため借り手を募集中であるとの情報が入り、それをお借りできた。これを拠点に一層活動の幅が広がりつつあります」 部屋数も多く、イベント時などの宿泊所になる。母屋の隣にも二階建ての大きな納屋があったが、借りた当時は荒れ放題だったとか。しかし、県の「NPO元気なまちづくり助成事業」の助成によってこれを大改修、「エコサロン野田」と名づけて野菜の直売や各種イベントの舞台に変えた。
活動の広がり 「まちづくり楽会」の活動の骨格は、 ① 毎年東松山市で開かれる日本スリーデーマーチのホームページ等の制作運営 ② 現在市内2カ所に所有する市民農園と「風と土の館-野田」の管理運営 ③ 各種イベントの開催の三本柱である。 会のメンバーには若い現役のITエンジニアやWEBデザイナーが何人かいて活発にIT事業を展開中だ。 大学で農学の教鞭を執っていた松本さんは、市民農園の管理運営陣の司令塔だ。そのかたわら故郷東松山市野本地区の「野本地区ハートピアまちづくり協議会」にも参加している。野本地区も野田地区も高齢化による耕作放棄地の問題が重くのしかかる。その問題解決の一助として市民農園の構想が生まれ、まちづくり楽会は野田に「市民農園野良」、野本地区に「みんなの彩園」と、2つの市民農園を営むことになった。「市民農園野良」は「きらめき市民大学」の卒業生たちを中心に運営し、「みんなの彩園」は生ゴミのリサイクルグループを中心に運営しているという。 松本さんが語る。「今後は既存の自治会など、地域との息の長い協働が課題。また、地域の内側だけでは農園の需要があまりない。そこをどうするか…」 東京から関越道東松山インターまではわずか1時間。東京圏のニーズの掘り起こしも視野に入れているが、石川さんは「東京から大勢人が来るとしても、その対応が課題。市民農園のスタッフたちも高齢なので…」と続ける。まちづくり楽会は若い人のボランティアを募っている。
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「風と土の館・野田」 | 左から屋代さん、石川さん、松本さん |
さまざまなイベントを開催 東京の「NPO法人エコ・コミュニケーションセンター」が、東京でのニーズを発掘して協働してくれているという。東京から子どもたちや知的障がいのある青年たちが泊まりがけで訪れ、乗馬・川遊び・芋掘り・ホタル観察などのイベントを楽しむ。また、東松山のぼたん園で毎年5月に開かれるボタン祭りにあわせて「風と土の館-田フェスタ」を開催する。母屋では各部屋に分かれて陶芸展・ガラスアート展などを行い、納屋の方は絵画展や各種演芸・コンサート等の会場になる。母屋の座敷では竹林を借景にして朗読劇も行われるという。 イベント担当の屋代さんが語る。「フェスタは10日間ほど開き、私たちのグループが毎日500円の手作りランチやコーヒー・ケーキなどをお出しします。好評なのでそれを普段の土日にもやれればと思います」。普段の土日は陶芸・絵画・朗読などの教室を開いている。 今後の展開・課題について石川さんにうかがった。「三番目の市民農園です。『風と土の館-野田』を拠点に三番目の市民農園を作りたい」 また、松本さんは「いろいろなNPOや市民団体が自治会などの既存組織といかに協働していけるかが最大の課題。協働がうまくいけば、新しい地域社会に発展するでしょう」
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