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深谷コミュニティ協同組合

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深谷コミュニティ協同組合

メンバーの竹石さん

街づくりのための拠点として 

 深谷コミュニティ協同組合は、協働で出資し協同で労働する協同組合の法制化をめざす動きに応じて設立された団体だ。法制化されるまでは「人格なき社団」として位置づけられる。

 メンバーの一人で「特定非営利活動法人市民シアター・エフ」理事長の竹石研二さんは、「深谷コミュニティ協同組合準備会」の立ち上げに際し中心的存在となった。設立のコンセプトは、竹石さんによれば「これを市民主体の街づくり会社にして、街づくりのための拠点とすること」だという。

 

 街の便利屋さん

 この組合の主な取組は「ふかや街の便利屋さん」事業である。これは秩父市のみやのかわ商店街が運営する「おたすけ隊」をモデルにしたものだ。「みやのかわ商店街」は全国有数の「空き店舗の少ない商店街」の一つで、2007年の経済産業省「がんばる商店街77選」に選ばれている。秩父市の「おたすけ隊」は地域通貨を利用して困っている人の支援と商店街活性化を同時に図るものだ。竹石さんたちは2009年、秩父に「おたすけ隊」を訪ね、その取組を詳しく聞いた。そして、深谷市でも同様の取組を広めようと開始した。

 「ふかや街の便利屋さん」は、家事・掃除・外出の代行や支援・庭の草刈り・話し相手などの援助を必要としている高齢者・障がい者・子育て中などの利用者が、シニアボランティアによって有償(1時間800円のチケットを使用する)のサービスを受けることができるシステムだ。ボランティアが利用者から受け取ったチケットは、500円の商品券に換えるか、貯蓄するか選択できる。残りの300円は事務局の運営費となる。 そのほか、この組合が手がけるのはフィルムコミッションの支援、深谷の特産品の直売、「観光資源の発信拠点及びまちめぐり拠点づくり事業」などだ。

 

 

「行政との協働が基本」

 竹石さんは「フィルムコミッションもかなり活発。市民シアター・エフが『旧七ツ梅酒造跡』に移転したら、組合と連携して深谷の特産品の直売所もやりたい。深谷は野菜の出荷高が関東一なんです。そうすれば、そこを『深谷ミニ観光』の拠点にできる」と展望する。

 また協働への思いについてうかがった。「人(個人)との協働、団体との協働と協働はいろいろ。でも行政との協働が基本だと思う。協働相手と二人三脚で活動していくことが大事。同じ目的に向かって、もたれあいでなく対等なつきあいをしていくことが肝心。そこには緊張関係も必要です」

 今後の展開については「この組合と密接に連携しているのが深谷のNPO3団体『市民シアター・エフ』『住まいとまち創り集団木犀』『深谷にぎわい工房』です。これからもこの3団体の有機的な繋がりを中心にして深谷のまちづくりを展開していきます」と熱く語った。

 

☆協働相手からの応援コメント☆ 

深谷商工会議所 村岡豊氏

 家の中のちょっとした用事をこなせず困っているひとり住まいの高齢者などから「電球を替えて」とか「水道の栓を替えて」とか頼まれる仕事は無数にある。「街の便利屋さん」のボランティアは「かゆいところに手が届く」志で仕事に携わっています。本当は私たちが音頭を取らなくても、誰かが困っているとき地域の人同士が自然に助け合う形ができれば、それが一番なのですが。早くそうなるように「助け合いのツール」としての「街の便利屋さん」を、まずは商店街の中に設置しておいて、いずれは全市中に広げていきたいと考えています。草刈りなどでボランティアが人手不足のときは私たち商工会議所の職員も応援に出かけていきます。皆「今日はいい汗をかいたね」と満足して帰ってきます。