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地域人ネットワーク

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 地域人ネットワークは、現役時代、なかなか地元を振り返る機会のなかった定年後の埼玉都民を集めてつくられ

た。シルバーパワーを地域で活かすプラットフォームにしたいという代表理事の岩井正三さんが語ってくれた。

 

 

誰でも気軽にパソコン講座

 この会の柱は2本あり、1本はシニアや主婦向けのパソコン相談サロンやパソコン講座。2005年4月開設以

来2008年3月までで延べ300名の相談に対応している。「娘や息子にパソコンのことを聞くと馬鹿にされた

り、つっけんどんにされて相手にしてくれない、ここでは親切に解るまで教えてくれる」と利用者の声。ここでは、

パソコン教室のようにカリキュラムに沿って教えるのではなく、エクセルやワードなど個々の困ったことを、1人

30分ほど一対一のやりとりで解決したり、インターネットを使って旅行計画をたてたり、ホームページやブログ

の作成方法、メールやラベルの作り方、年賀状作りなどを教えている。これは、見沼区の四ヵ所の公民館やコミュ

ニティセンターと協働して、毎月巡回しながら開催している。このごろはデジカメの相談が多い。手づくりの教科

書と教材で日常のパソコンライフに必要なことを教えている。市民の立場から共同参画のまちづくりを進めている

「見沼区区民会議」のホームページも作っている。

 会員に(財)ニューメディア協会のシニア情報生活アドバイザーの資格を持つ人が数人いるので、その人たちを中心

にパソコン講座やパソコン相談室を作り上げているそうだ。 

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 「なたねの栽培田んぼ」の看板 菜の花畑と子どもたち 

 

菜種油の抽出「菜の花子ども教室」

 もう1本の柱は、2005年7月に文部科学省の委託事業としてスタートした「菜の花子ども教室」。埼玉県の

貴重な歴史的自然資源である「見沼田んぼ」で菜の花や野菜を育てる農作業体験をすることだ。「見沼田んぼ」の

北側の遊休農地を、管理している埼玉県から農地の有効活用の一つとして借り受け、2008年度から「ふれあい

菜の花子ども教室」を実施している。

 これは「子ども居場所づくりプロジェクト」としてスタートした「菜の花子ども教室」の延長線上にあり、20

09年度も実施している。この「菜の花子ども教室」、初めは、近所の小学校や知り合いの子どもが主だったが、

今ではさいたま市大宮駅西口、桜木町や上小町の小学校の児童など、「比較的さいたま市でも都会に住んでいる子

どもたちが多くなってきた」と岩井さんはいう。なかには所沢から来ている親子もいる。参加者は、毎年入れ替え

るようにして4月から5月にかけて募集している。知り合いの学校にチラシを配布、インターネットでの公募で6

0~70名が参加してくれるという。2009年度で5回目、延べ約600名が参加した。

 栽培している菜の花は、食用なので観て楽しむばかりでなく、菜種を取り、絞って菜種油を作っている。自然農

法で作った菜種油はとてもおいしいとのこと。

 そのほか様々な野菜類も自然農法で栽培している。大根、白菜、小松菜、かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、

さといも、らっきょ、いちごなどがある。種まきはもちろんのこと、草取りなどを体験してもらうのだが、収穫の

ときには、大根抜きやさつまいも掘りの合間に焼き芋をつくるなど楽しいイベントを入れている。途中に行う間引

きや草取りなどはボランティアで会員が行っている。

 この頃は子どもというより、家族での参加が多く、特に父親の参加が目立っている。また、自分たちで野菜を

ることによって、野菜嫌いだった子どもが野菜を食べられるようになったと喜ぶお母さんからのうれしい報告も

る。

 

シニアライフを楽しく

 会の会費は月500円。安いか高いかは人それぞれの感じ方であるが、「この会費は、楽しみながら会を運営し

ているという意味で、これは、会員の楽しみ賃ですね」地域で仲間をつくり、その上子どもやその親たちに楽しん

でもらえる。これは、地域社会にも少しは貢献できているということでもあり、また、自助でもある。今後とも、

地域に密着したシニアライフを楽しく送ると語ってくれた岩井さんの笑顔に送られた。