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わこう子育てネットワーク

 

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 わこう子育てネットワークが開始した訪問型子育て支援事業は、イギリスで始まった「ホームスタート(※)」事業と呼ばれるものです。未就学児のいる家庭に研修を受けた子育て経験者が、週に1度訪問し、2時間程度一緒に時間を過ごします。指導するのではなく、傾聴の姿勢で友人のように親の気持ちに寄り添うのが特徴です。ホームスタート事業が実施されている国では、子育てに関する保護者の不安を軽減させるので、虐待の予防対策とされているそうです。

 今回は、代表理事の森田さんにお話を伺いました。

 

◆ホームスタートに取り組む理由◆

 

 埼玉県南部の和光市は東京のベッドタウンとして発展してきました。そのため核家族が多く、近くに頼れる親戚や知人がいないことから子育てに悩む保護者が少なくないそうです。わこう子育てネットワークでは、これまで子育てサロンなどの子育て支援の場を提供してきました。しかし、様々な事情で外に出られない親子に対してはサポートすることができませんでした。そこで、家庭を訪問するホームスタート事業を新たに開始することにしたそうです。

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お話をうかがった「もくれんハウス」

 

◆昨年度の取組◆

 

 昨年度のチャレンジサポート事業では、地域統括責任者であるオーガナイザー1名と訪問スタッフであるビジター11名を養成しました。また市内の保健師を対象に説明会を行いました。保健師からは、「市内の家庭を訪問すると十分なサポートを受けられず、孤立している保護者が見受けられる。自分たちも心配しているが、緊急度が比較的高くないケースまでは手が回らず、フォローが足りないのではないかと気になっている。そこで、ホームスタートには大きな期待を寄せている」との意見をもらい、広報など事への協力を約束してくれたそうです。

 

 ◆ホームスタートの実施◆

 

 今年4月から訪問希望者の募集を開始しました。現在、3件の家庭を訪問しています。

「HPや広報誌を見て事業を知ったそうです。里帰り出産後、和光に戻ってきたが知り合いがいなくて不安だったと、訪問を非常に喜んでいただいています。さらに広報を強化して、今年度中に15件の家庭を訪問したいと思っています。」

 広報強化の一環として、昨年度ホームページをリニューアルし、携帯サイトも開設したそうです。子育て中の保護者はゆっくりパソコンに向かう時間が少ないので、携帯電話でも見られるようにしたとのことでした。

 

◆今後の課題◆

 

 ビジターの家庭訪問に対して利用者負担はありません。そのため事業を維持するために、法人として経費確保が必要です。

「事業を始めた以上は続ける義務がありますので、ファンドレイジング(資金調達)の勉強の必要性を強く感じています。助成金を活用するための情報収集も必要です。今年度は独立行政法人福祉医療機構さんの助成をいただけることになりました。事業を継続するために埼玉県NPO基金の『みんなでサポート事業』も活用したいと思っています。」

 また、引き続きオーガナイザーとビジターの養成も行い、安定したサービスを提供できるよう取り組んでいきたいとのことでした。

wakouyousei.png訪問スタッフ養成講座

  CIMG1037.JPG啓発講座の中での

ロールプレイング 

 

 

 

◇訪問を終えて◇

 

 最後に、今回の取材に同行した、大学生の峯岸さんの感想を紹介したいと思います。

「森田さんのお話を伺い、ママ・パパにとって一日中子どもと一緒に過ごす『子育て』はとても大きな負担であると感じました。和光市だけでなく東京のベッドタウンを多く抱える埼玉県では地域になじめず孤立し、一人で悩んでいるママ・パパも多いと思われます。わこう子育てネットワークさんが行われているように、地域ぐるみで子育てで悩んでいるママ・パパの精神的負担を軽くしてあげられるような支援をしていくことが必要だと思いました。私が父親になったら、今回の体験を生かし、子育てに臨んでいきたいです。」

 

 (平成22年9月取材)

※「ホームスタート」事業について

日本国内でホームスタートの普及に取り組む特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパンさんはこちら↓

http://www.saitamaken-npo.net/database/kyoudou/group.php?mode=detail&id=100922182709

 

ホームスタート事業の詳しい説明についてはこちら↓

http://www.homestartjapan.org/modules/about/index.php?content_id=1