サイト内検索
トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成21年度の助成団体に聞きました! > 織の音アート・福祉協会

織の音アート・福祉協会

h21mailmagreport.png

 織の音アート・福祉協会は、知的障がい者が社会参加する場を提供しています。多機能型事業所「野種(のだね)」でパンなどを作り、常設店舗の「日々喜(ひびき)」で販売をするとともに、今回の「織っこたちのゼロ展」で発表した手織りの工房を運営しています。

 今回は、理事長の坪井さんと副理事長の金さんにお話を伺いました。

◆手織り作品の魅力◆

  

 織の音アート・福祉協会では知的障がい者が自分を表現する手段として手織りに力を注いできました。彼らの作品は独特の色合いを持っていて、不思議な魅力を感じます。

「健常者は頭で計算して色の組合せを考えてしまいがちです。知的障がい者は計算ではなく感覚を優先するので、素敵な作品を作ります。彼らは『かわいそうな人』ではなく、ひとりの『アーティスト』なのです。」

orinone4.JPG

◆織っこたちのゼロ展◆

  

 これまでも作品を多くの方に見てもらい、知的障がいを理解してもらうきっかけとするために、定期的に個展を開いてきました。

 しかしそれでは特定の人しか発表できないので、全員で発表できる企画としてファッションショーを考えました。これならば作品だけでなく、作者も見てもらえ、障がいへの理解を促すという目的も果たせます。お客さんからはこのファッションショーが好評でした。一生懸命に取り組む姿を見て、知的障がいに対する見方が変わった方もいたそうです。

 

 orinone1.JPG  orinone2.JPG  orinone3.JPG

 

◆今年の織っこたちのゼロ展◆

 

 今年は10月7日(木)から10日(日)、さいたま市地域中核施設プラザノースで実施しました。テーマは「風」。

「昨年好評だったので、今年はやらないわけにはいきませんし、規模を小さくしてがっかりされるわけにもいかないというプレッシャーはありました(笑)。」

 人前に立つことは知的障がい者にとって、貴重な成長の場になるそうです。成長するためには失敗することも必要なのでスタッフの姿勢としては粘り強く見守ることが大切とのことでした。

 

◆元気なまちづくり助成事業◆

 

 織の音アート・福祉協会はさいたま北商工協同組合にも所属し、地域の様々な団体と強く結び付きながら活動をしています。今年度の県の元気なまちづくり助成を活用し、空き店舗を利用した地域の交流スペース及び貸しギャラリーを整備して運営する予定です。

「今まで支えてくれた地元への恩返しとして、地域の活性化に取り組んでいます。自分たちの手織りの作品を展示するだけでなく、様々なアーティスト・団体の発表の場にして、地域の人が日常の中でアートに親しめるようにしたいと考えています。」

 

◇訪問を終えて◇

 

 金さんから面白いお話を伺いました。町内会の方から「赤い羽根共同募金が集まらなくて大変」と聞いたので、「その募金で私たちは活動しています」と伝えたそうです。そうしたら町内会の方が「募金の使い道がわかった」と納得し、今まで以上の募金が集まったそうです。

 NPOが寄附の使い道を分かりやすく示すことは、より多くの善意を集めるために重要なことだと感じました。

 

(平成22年11月取材)