サイト内検索
トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 平成21年度の助成団体に聞きました! > 科学芸術学際研究所 ISTA(イスタ)

科学芸術学際研究所 ISTA(イスタ)

h21mailmagreport.png

 ISTAは全国各地の科学者や芸術家などが、多くの人に科学や芸術をもっと身近に感じてもらい

たいとの思いを持ち、設立しました。コンピューターなどの科学技術をいかした現代芸術作品を制作

したり、「科学おもちゃ」を用いた市民講座やワークショップを開催して、科学や芸術の面白さを伝

えています。

 今回は、理事長の高木さんにお話を伺いました。

  

◆科学に親しめるように工夫したおもちゃとは◆

 

 『崖の上のポニョ』にも登場した蒸気の力で走る「ポンポン蒸気船」や、

慣性の法則を視覚的に捉えられる「だるま落とし」と言えば、イメージが

くかと思います。エッシャーが描いた「だまし絵」のように、錯覚を利

用したものもあります。

 このように、昔から人は、遊びながら科学を学べるように工夫していま

た。しかし、今の子どもの回りにある、テレビゲームのようなおもちゃ

は構造が複雑なため、仕組みが分かりにくくなっています。遊んでいても

「なぜ?」と考える力は育みにくくなっています。

 

ista2.jpg

◆おもちゃの開発◆

 そこで、子どもでも作れる新しい科学おもちゃをISTAは開発しました。今回のチャレンジサポ

ート事業で開発したおもちゃは、①多面体がポップアップする本、②錯視を誘う立体モデル、③雪の

結晶の成長モデル、④多面体万華鏡、⑤呼吸する肺胞の折り紙モデル、⑥ストローによる多面体作成

の6種類です。

 例えば⑥のストローによる多面体作成では、切ったストローをつなぎ合わせることで正四面体や正

六面体を作ります。手先が器用な人ならば、もっと複雑な正十二面体や正二十面体を作ることができ

ます。パズルのように楽しみながら、様々な立体の構造を学ぶことができます。

 

ista3.jpgista1.jpg

◆子どもだけでなく、大人も楽しめるおもちゃ作り◆

 

 子どもを主な対象者としてワークショップを開催しましたが、子どもだけでなく、付添いの保護者

にも喜んでもらえたそうです。子どもと一緒に遊び、驚き、発見し、考える機会になったとのことで

した。

 また、ワークショップに参加した高齢者からは、頭と手の訓練になると好評でした。シンプルな

造だからこそ、様々な年齢の人が一緒に楽しめるのが「科学おもちゃ」の特徴の一つです。

 

◆「科学おもちゃ」の普及◆

 

 ISTAは主として首都圏の科学者や芸術家などで構成されていますが、「科学おもちゃ」に関わ

るスタッフが少ないので、頻繁に講座やワークショップを開催することが難しく、せっかく開発した

「科学おもちゃ」を普及させることが課題となっています。

「学校や施設などで『科学おもちゃ』を作るワークショップを開きたい方がいれば、喜んで相談に応

じます。材料費程度の負担をしていただければ結構です。」

 

◇訪問を終えて◇

 

 今回紹介した「科学おもちゃ」は、どれも実物を見ないと分かりにくいものかもしれません。私自

身が取材時に抱いた感動を文章にする難しさを感じています。

 ぜひ、下のURLをクリックして、「科学おもちゃ」の写真を見てください。一度、手に取って

作ってみたいと思っていただけるはずです。

 

(平成22年12月取材)

 

◇昨年度のチャレンジサポート事業の活動報告会で、科学芸術学際研究所 ISTAが発表した「科

学おもちゃ」の資料はこちら↓

http://www.saitamaken-npo.net/html/jigyohoukoku_ista.pdf