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市民シアター・エフ

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 銀行の空き店舗を利用して2002年から8年間営業を続けた「深谷シネマ」は、市の区画整理事業に伴い老舗酒造跡(旧七ッ梅酒造)に移転することになりました。敷地内の西酒蔵を全面改装し、客席数60席の映画館として4月16日(金)にリニューアルオープンを迎えました。

 

◆市民交流スペースでオープニング記者会見◆

 

 4月16日のオープニングイベントには多くのファンが駆けつけ、今回のリニューアルが待ち望まれていたことが伝わってきました。理事長の竹石さんは挨拶の中で、「300年の歴史がある旧七ッ梅酒造の力をもらって深谷の街に根付いていきたい」と強い決意を表明されました。また、名誉館長の大林宣彦監督が挨拶の最後に、スクリーンに向かい「よろしく」と声をかけられたのが印象的でした。

 続いて、市民交流スペースで竹石さんと大林監督による記者会見が開かれました。多くの方に市民交流スペースを知っていただく機会になりました。

 

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竹石さんの舞台挨拶 大林監督の舞台挨拶

竹石さん(右)と大林監督(左)による

記者会見

 

◆映画で人が集まる、映画で人がつながる◆

 

 竹石さんたちの「深谷の街に映画館を復活させたい」との思いで始まった深谷シネマの歴史は、今回のリニューアルで新たな一歩を踏み出しました。

 1つは、歴史的建造物を有効活用することで、深谷の今後の街づくりに大きな力を与えたことです。そしてもう1つは、ロビーの隣に市民交流スペースを設けることで、映画館が地域の「交流の場」の役割を担えることです。オープニング当日は、大林監督の写真展が開かれていましたが、今後も県民の皆さんの様々な活動の場、発表の場として活用していくことを計画しているそうです。

 

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◆江戸時代の組柱◆

 

 深谷シネマは江戸時代に建てられた西酒蔵を改装しました。副理事長で、設計士の清水さんに建物の魅力と苦労した点を伺いました。

「歴史的価値のある建造物を残すという目標があったのですが、建築基準法や消防法をクリアしながら蔵の雰囲気を損なわないことに苦労しました。例えば、蔵の基礎は大谷石を用いていたのですが、コンクリートで作り直すことになってしまいました。そこで、江戸時代の木組みをいかすために、市民交流スペースでは丸柱を残し、梁を見えるようにしました。蔵の歴史を感じてほしいと思います。」

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◆大林宣彦監督からのメッセージ◆

 

 大林監督は深谷シネマをヨーロッパの街なかの映画館のようだと評し、のような映画館で上映する良い作品を作っていきたいとのコメントがありました。また、市民交流スペースに関しては「ステキな空間になりましたね。いろいろな方に使ってもらいたいですね。」との応援メッセージが寄せられました。

 

 

◇訪問を終えて◇

 

 取材後、市民交流スペースに木製の家具を置かせてほしいと、地元の作家さんから申し出があったそうです。上映の前後に訪れた方からの評判は上々だそうです。「元気なまちづくり助成事業」で誕生した市民交流スペースが、人と人時代と時代とを繋ぐ架け橋になってくれることを期待しています。

 

(平成22年4月取材)