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くるみの木

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平成20年度チャレンジサポート事業では、「きて 見て 織って 手織りフェア」(手織りセラピー・交流広場)事業を行った、「特定非営利活動法人 くるみの木」さんです。
障がいのある方が作った手織り作品の展示販売のほか、地域の手織りグループや川越唐桟の作品展示、希望者の方に手織り体験をしていただきました。

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 くるみの木さんは「障がい者の経済的自立や人間らしい当たり前の生活を支援します」を合い言葉に、平成16年に福祉ショップ・カフェ「くるみの木」をオープンし、平成18年4月にNPO法人格を取得しました。その後は、「むぎや」「ちっちゃないちご」「ゆいの花」と拠点を増やし、活動を広げています。
 平成20年度のチャレンジサポート事業では「手織りフェア」を開催しました。
手織り作品を通じて、障がいのある方の活動を知ってもらうとともに、授産所等の製品を購入してもらう機会としました。

houmon_title_katsudou.png 今回は坂戸の福祉ショップ・カフェ「くるみの木」で谷奈穂子さん、入間のサロン「ゆいの花」で岩崎廣司さん、川越のギャラリー「ちっちゃないちご」で副代表の宮成友恵さんにお話を伺いました。

★坂戸の福祉ショップ・カフェ「くるみの木」での谷さんのお話
 授産所等の製品を販売するために開店した「くるみの木」では、ギャラリースペースを設けており、障がいのある方の作品などを展示していました。そのお一人が手織り作家の太田幸子さんです。太田さんの作品展と手織り教室が「手織りフェア」の基となりました。
 普段はショップの責任者として活動する谷さんは、「手織りフェア」では授産所等の方との交渉や参加者募集などの渉外を担当されました。なかなかうまくいかないこともあり苦労されたそうですが、その分イベントを通じてショップのことも知ってもらうことができたそうです。
「ここのギャラリーに来てくださる方が増えました。また自分の作品を展示したいという方も増えました。その方がお知り合いを連れてきてくださり、多くの方に私たちの活動を伝えることができました。」

 

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★入間のサロン「ゆいの花」での岩崎さんのお話
 岩崎さんが所属した「オリオン」はもともと入間で活動する障がい者手織り支援グループでしたが、「手織りフェア」のスタッフとして協力したのをきっかけに、入間の活動拠点づくりのため、くるみの木に加わりました。
 空き店舗を改装した「ゆいの花」では手織り教室を月・水・金曜日に開き、火・木・土曜日はサロンとして開放しています。スタッフの方が丁寧に教えてくれることもあり、初心者でも2時間でランチョンマットくらいの大きさの作品ができるそうです。障がいの有無に関わらず製作に取り組めるようにサポートも充実して
います。
 また、授産所等の製品の販売にも力をいれられています。
「手織り教室・サロンは人が集まりやすいように日常的に開けることが必要ですが、待っているだけではだめです。外のイベントに積極的に参加することも必要なのです。私たちの役割は人と人をつなげることだと思っています。」

 

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★川越のギャラリー「ちっちゃないちご」での宮成さんのお話
 チャレンジサポート事業が団体の活動にどんな影響を与えたのかお伺いしました。
「なにより手織り機が買えました。そしてフェアで多くの方と出会うことができました。教室を始めたら、さまざまな人が来てくれました。教室に来た障がいのある方が、自立に向けて頑張り始めました。ご両親がとても喜んでくださいました。フェアを通じて仲間が増え、新しい拠点をオープンすることができました。来年度はまた新しい事業に取り組もうと考えています。」
 活動が発展し、新しい出会いがあることをとても楽しそうにお話しいただきました。

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★活動規模が広がる
 活動の規模が広がっていくなかで不安はないのか、宮成さんにお伺いしましした。
「基本的に私たちの各事業所は自立して、活動することを目指しています。だから組織内の横のつながりは意識しています。バラバラにならないように大切にしていることは、団体のミッションを忘れないことです。スタッフが増えて、メンバーの能力が変わっても、ミッションを達成するためにやり方を変えればいいのです。」
 団体のミッションは障がいのある方の自立支援です。団体の活動の規模が広がることや外部とのつながりが増えることは、ミッションを実現する上でとても重要なステップだと、明確に意識されていました。

★取材を終えて
 活動が広がる様子は、まさに織物のようでした。年齢・障がいの有無に関係なく手織りを通じて人のつながりが広がる様子が縦糸で、坂戸・東松山・川越・入間と活動拠点を広げていく様子が横糸のようです。
 お伺いした「ちっちゃないちご」では手織り教室の最中でした。参加者の方に、障がいのある方との接し方をお伺いしましたが、そんな質問をすることがはばかれるような和気あいあいとした雰囲気でした。ノーマライゼーションとは障がいの有無を必要以上意識しない関係性を言うのだと思いました。
 NPO活動は社会を変える力を持っています。皆さんの活動が縦横に広がり、大きな力で社会を包み込んでいくよう私たち埼玉県も応援します。

 

(取材 平成22年1月)


くるみの木さんを詳しくお知りになりたい方はこちら↓
http://www.geocities.jp/kuruminoki_wakaba/NPOindex.html