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子ども広場草加おやこ劇場

 第5回 NPO法人子ども広場草加おやこ劇場
 平成18年度埼玉県NPO活動促進助成事業(ステップアップ事業)の助成を受けた団体の、その後の活動を紹介します。第5回は、NPO法人子ども広場草加おやこ劇場です。

h19houmon_title1.jpg 草加おやこ劇場は、1974年の設立以来、優れた舞台芸術作品を鑑賞する機会を提供するとともに、大人も子どもも主役となって楽しく活動できる出会いの場や、安心して集える居場所、学習の場などを創ってきました。こうした事業を通して、地域文化の発展に努めるとともに、大人も子どもも、人と人とのつながりの中で豊かに育ちあえる社会をめざしています。

 平成18年度ステップアップ事業では、幼児から小・中学生までの子どもたちに、さまざまなアーティストに出会い、サーカス芸、タップダンス、パントマイムといったプロの技を間近で観て、実際にやってみるという地域体験教室を行いました。
また、0123才の乳幼児向けに、「はじめてのおしばい」と「あそびのひろば+音楽コンサート」を行い、こちらもアートに出会うことを中心にあそびも取り入れた体験の場をつくりました。

 今回は、子どもたちが楽しそうに遊んでいる傍らで、三澤事務局長、俣野理事、加賀理事にお話を伺ってきました。

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  • (聞き手)
    早速ですが、「NPO法人子ども広場草加おやこ劇場」の活動について教えていただけますか?
     
  • (三澤事務局長)
    草加おやこ劇場は「いっしょにみようよ、あそぼうよ」を合言葉に、子どもが健やかに育ち、大人も子どもも主役となって係われる自主的な活動と仲間つくりを支援する事業を行ってきました。法人名からもわかるように、質の高いプロの舞台芸術の鑑賞会を定期的に開催しています。現在は、さまざまな年齢層を対象に、それぞれ年4~5本の鑑賞の機会を設けています。

    また、子どもの自主性と創造性を育むために、クッキングやキャンプ、工作教室、楽しみながら科学について考える催しなど、様々な体験講座も開催しています。また、こうした鑑賞会・講座だけでなく、「ママとベビーのためのもうひとつのおうち」となるよう、事務所の1階は「ばぶハウス」として解放し、様々な年齢層の子どもたちとそのお母さんが集う場になっています。

    おかげさまで、こうした活動に賛同してくださる会員の方が、現在300名強いらっしゃいます。周りの子どもたちも、どの子がどのお母さんか分からないぐらい、楽しそうに大人もこどもも一緒になって遊んでいるでしょう?(インタビューはNPO法人子ども広場草加おやこ劇場の事務所でおこないました。多くの、元気でかわいい子どもたちが、ワイワイガヤガヤ、お友達、お母さんと一緒に楽しそうに遊んでいました)
 h19houmon_soukaoyako.jpg               (写真左)ばぶハウスに集う母子の様子  h19houmon_soukaoyako2.jpg            (写真右)おしばいに喜ぶ子どもたち
 
  • (聞き手)
    ありがとうございました。確かにどの子がどのお母さんか分からないくらい、大人もこどもも楽しそうにしていますね(笑)。
    ちなみに子どもたちの年齢層も様々ですね。
     
  • (三澤事務局長・俣野理事)
    先ほど申し上げた事業の柱も特徴のひとつですが、0歳から高校生、大学生まで、様々な年代のこどもたちが参加していることも草加おやこ劇場の特徴のひとつなんです。

    子育てのサークルは、特定の年齢層の子どもたちの集まりであったり、限られた地域での活動であることが多いのですが、草加おやこ劇場は様々な年齢層の子どもたちが集います。それこそ、キャンプなどでは、中学生や高校生が実行委員となって、がんばってくれています。リーダーとなる子どもたちにとっては、自主性を育む良い機会になります。

    さらに、草加おやこ劇場の会員の方は、草加市と八潮市の方が中心となっており、鑑賞会などもこうした地域で行っていますので、普段の生活圏の中に、密着しているとともに、学校や幼稚園が異なる友だちと交流を持つことができるため、コミュニケーションの幅が広がるのではないでしょうか。
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              (写真左、右)キャンプに参加する様々な年齢の子どもたち 
  • (聞き手)
    ありがとうございました。今回の助成事業では、どのようなことに取り組んだのですか?
     
  • (三澤事務局長)
    「子どもがアートに出会う、あそぶ、体験広場」と題して、幼児から小学生・中学生までの子どもたちを対象に、5日間、5つの会場で様々なアーティストに出会い、間近でプロの技や芸術を観る、実際にやってみるという体験教室を開催しました。

    どの会場も、複数のプログラムを用意することで、こどもたちや大人が、1日中いろいろなプログラムを体験できるお祭りのように楽しめる場を提供しました。
    また、0.1.2.3才の子どもたちと、その保護者向けには、親子で観るはじめてのおしばいとなる鑑賞会「はじめてのおしばい」と「0123才あそびのひろば+音楽コンサート」を行い、こちらもアーティストに出会い、あそぶ体験をしました。
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            (写真左、右)助成事業の様子
  • (聞き手)
    子どもたちや大人の反応はいかがでしたか?
     
  • (三澤事務局長、俣野理事)
    はじめはモジモジしていた子どもたちも、多くのお友達と一緒になることで、次第に積極的に楽しむ様子が見てとれました。子どもたちが実際に体験できるプログラムを用意したのですが、アンケートの結果からは「はじめはドキドキしたけど、楽しかった」とか「はずかしかったけど、できるようになって嬉しかった」といった声も寄せられています。

    また、お母さんたちも「普段の子どもたちとは違った一面をみることができた」といった声が寄せられました。そういう意味では、子どもの新しい一面を再発見する良い機会が提供できたと思います。

    0123才のプログラムのほうでは、まず親子で一緒にあそんでみませんか~、ちょっと広がって、おともだちや他の大人にも興味もってみませんか~と身近な素材をつかった手作りのおもちゃにプラスし、大人の言葉がけや、近くにいるお友だちを感じることができたことと、お芝居やコンサートを一緒に共有できたことも、孤独になりがちな子育て期間、思い切って出かけてきてくれたことで、お母さんにとってもリフレッシュの場になったのかと思います。
     
  • (聞き手)
    当日の写真を拝見すると、子どもたち、お母さんの表情が非常にいきいきとしていますね。
    今回の助成事業は、今後の活動にどのようにつながっていますか?あるいは、活かそうと考えていますか?
     
  • (三澤事務局長)
    今回の助成事業により、5日間に渡って、複数のプログラムを用意することができました。そのおかげで、多くの参加者から、次の事業を検討する上での貴重な意見をいただくことができました。こうした意見は、これから行う事業の貴重な財産になっています。

    また、今回の事業をきっかけとして、草加おやこ劇場に興味をもってくれた方も非常に多くいらっしゃいました。こうした方のなかから、草加おやこ劇場の会員になって活動に協力してくれる方も出て、活動の輪を拡げることができました。
     
  • (聞き手)
    ありがとうございました。次の事業が楽しみですね。
    先ほど、草加おやこ劇場は30年の歴史があるとのことですが、これは活動が地域に深く根ざしているからだと思います。活動を行ううえで心がけてきたことは何ですか?
     
  • (加賀理事・三澤事務局長 )
    草加おやこ劇場が誕生したのは、まさにテレビが普及したころにあたります。テレビの普及は功罪両面を持っていますが、子どもたちや親が交流する機会が減ってしまったのは事実です。こうした背景のなか、そもそも我々の活動自体が、子を持つ親のニーズに合致していたのかもしれません。

    心がけていることは、継続して地道に活動を続けることです。今回の助成事業のように資金面で余裕ができると、ついつい無理をして、活動を拡げてしまいがちです。我々は、継続して活動が続けられるよう、厳しい財政状況のなか、最大限できることは何だろうということに知恵を絞ってきました。
    その結果、活動に理解を示してくださった会員の方で、子どもが大きくなっても協力してくださったり、また子どもたち自身が活動に協力してくれるようになってきました。直接草加おやこ劇場に係わらなくても、口コミで紹介してくださり、団体の認知度向上に寄与してくださる方もいらっしゃいます。

    こうした皆さんのご協力が、我々の財産であり、それに応えるためにがんばってきたのが、現在の活動につながっているかもしれません。
     
  • (聞き手)
    ありがとうございました。30年の歴史に裏打ちされた言葉には力強さを感じますね。最後になりますが、草加おやこ劇場のPRをお願いできますか。
     
  • (三澤事務局長)
    常に子どもたちのそば(生活圏)に生の舞台鑑賞の機会を用意しつづけていきたいと思っています。これからの予定で、一般の方にも参加できるプログラムがあります。

     ☆11/14(県民の日)
     親子で一緒に鑑賞会0~5才のためのお芝居「○○おとうさん」表現者チェスナッツ公演 参加費1世帯1000円
     場所・・・草加市中央公民館 開演時間・・・11:00 

     ☆12/13(木)
     今年もやります「0123才あそびのひろば+音楽コンサート」  参加費1世帯1000円
     広い会場いっぱいにひろがる、身近な素材をつかったてづくりのあそびのブースがいっぱい。大人も楽しめるコンサート付。
     場所・・・アコスホール(草加駅前イトーヨーカドーの上)時間・・・10:00~14:00

     ☆12/22(土) 
     糸でんわが楽器になった「ストリングラフィ アンサンブル・ワークショップ&コンサート」
     紙コップと絹糸を使った不思議な楽器で、弾き方によっていろんな音がでます。終演後には体験コーナーがあります。
     場所・・・アコスホール 開演時間・・・17:30 参加費一人1000円

    そのほか、科学をあそぼう・表現活動・そらまめクラブ(未就園児の親子)等あります。

     みんなであつまるとなんか楽しい!みんながあつまるとなにかしたくなる!楽しい子育てできたらいいね!と親子でいっしょにいるからこそできること、みんな違っているからおもしろいこと、お芝居をしている人も観ている人も生の人間、その生の体験、空間からその「人間」のよさを一緒に共有してみましょう。

    会員募集中です。お気軽にお問い合わせください。
     
    TEL/FAX:048-936-1771
    住所:〒340-0011 埼玉県草加市栄町3-3-23
    E-mail:souka-oyako@galaxy.ocn.ne.jp
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  (写真左)ばぶハウスの外観 
 

  (写真右)お話を伺った三澤事務局長と俣野理事のお二人

(平成19年度・取材)