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そばネット埼玉

 
 
 
 
  第8回 特定非営利活動法人そばネット埼玉
 
平成18年度埼玉県NPO活動促進助成事業(ステップアップ事業)の助成を受けた団体の、その後の活動を紹介します。第8回は、特定非営利活動法人そばネット埼玉です。 h19houmon_title1.jpg「特定非営利活動法人そばネット埼玉」は、伝統食文化としての"手打ちそば"の普及やそば打ちの正しい技術の習得に力を入れながら、食文化の健全なる発展を目指している団体です。

平成18年度ステップアップ事業では、「第1回さいたま手打ちそばアカデミーinさいたま」を開催し、講義のほか、手打ちそば技術講習会を実施しました。また、未来を担う子どもたちに、食の大切さや手作り料理の楽しさを知ってもらうため、親子そば打ち教室を実施しました。更に今年度のチャレンジサポート事業では、各地域で「手打ちそば教室」を実施する際の指導者を養成するために「手打ちそば指導者養成講座」を実施しています。

今回は、1月13日(日)に開催された「手打ちそば指導者養成講座」の様子を取材すると共に、今後の活動などについて阿部代表理事にお聞きしました。
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  • (聞き手)
    アマチュアの人がそばを一人前に打てるようになるにはどれくらいかかりますか。また、他人に教えるようになるには、さらにどれくらいかかりますか。
     
  • (阿部代表理事)
    一人前という定義が難しいのですが、全国麺類文化地域間交流推進協議会では、なんとか他人(家族や友人)に食べさせることが出来る程度を初段として位置づけ、そばまつり等で不特定多数の方々に食べていただける程度を2段と位置づけています。
    その意味からすると2段程度の実力が必要ですが、アマチュアで趣味として打つ程度では、最低2年程度の期間が必要です。指導者としては、3段以上の実力が必要で、一生懸命やって3~5年は必要でしょう。
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             (写真左)手打ちそば技術指導者養成講座の会場「高山村大使館」 
             (写真右)会場内の様子 

  •  (聞き手)
    今回の手打ちそば技術指導者養成講座では、実力がどれぐらいの人が参加していますか。また、講座受講後の受講者の目標はどのように設定されていますか。 
     
  • (阿部代表理事)
    全麺協3段を持っている方が2人、2段が3人、初段が2人、無段が2人です。本来は2段取得者以上の方を対象にしたいのですが、まだ、創立後間もない団体もあり、初段や無段でもその団体のリーダーを目指す方を対象にしています。目標は、3段の方は4段を、2段の方は3段取得を目標にしています。
    1月19日、20日に県民活動総合センターで開催した全麺協の初段2段大会で、受講生から2段1名、初段2名が合格しましたので、如実にその成果は現れています。
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                (写真左)今回取材した「手打ちそば技術指導者養成講座」の講師をつとめる阿部代表理事
                (写真右)講師の話に耳を傾ける受講生。真剣さが伝わってきます。 
 
  • (聞き手)
    今回の手打ちそば技術指導者養成講座で、そば打ちの指導者を養成するとのことですが、来年度以降の予定を教えてください。
     
  • (阿部代表理事)
    4月以降も、4期(1期が3ヶ月コースで全6回の講座)開催する予定です。地域は全県域で対象者も、3段以上を目指す団体のリーダーとします。
  
 
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                 (写真)段位認定試験の会場の様子。地域のそば打ちのリーダーを育成しています。 

  • (聞き手)
    昨年度のステップアップ事業で実施した手打ちそばアカデミーと親子そば打ち体験教室については、今年度はどのように展開されていますか。
     
  • (阿部代表理事)
    昨年度、助成金を受けて2月に第1回を開催し、大成功を収めたのを機に、昨年6月に第2回、9月に第3回を開催し、いずれも、定員100名を上回る盛況で、来月23日(土)に「第4・5回手打ちそばアカデミーinさいたま」を開催することになっており、毎年度4回実施していきます。(詳細はこちら
    また、親子そば打ち体験教室についても、今年度は、県民活動総合センターの依頼により2月11日(月)に開催することが決まっております。
     
  • (聞き手)
    今後の埼玉県における「伝統食文化としての手打ちそば」の地位向上について具体的にどのように取り組んでいきたいか教えてください。
     
  • (阿部代表理事)
    いずれにしましても、2年度にわたり、NPO活動促進助成事業の助成金を受けて実施した事業は、おかげさまで順調に進展しており、「伝統食文化としての手打ちそば」の正しい知識と技術の普及に大きく寄与しています。
    「手打ちそばアカデミーinさいたま」は5回で、延べ500人と多くの方々を対象にすることができ、手打ちそば文化の情報の受発信には大変効果的でありますので、今後も着実に展開していきます。

          h19houmon_sobanet6.jpg              (写真)「第1回さいたま手打ちそばアカデミーinさいたま」技術講習会の様子。 

ところで、この手打ちそばアカデミーの実績が買われて、全麺協が全国の指導者を対象にして毎年実施している「全麺協 日本そば大学」の平成20年度開催について、開催場所を埼玉県として、当団体が運営を任されることに内定しました。現在、6月に県民活動総合センターで開催すべく準備を進めております。
このそば大学は、第1回を北海道幌加内町、第2回を長野県飯田市、第3回を福島県喜多方市で開催され、いずれも、蕎麦の産地として有名で、地元自治体の大きな支援の下に開催されています。
さいたま市も埼玉県も農産物としての蕎麦は、一部を除いてほとんど縁もなく、自治体から支援を受けるのは難しいですが、"大消費地"でのそば大学の特色を出して、なんとか成功させるべくがんばっています。
手打ちそば指導者講習会については、苦労の割には対象が少なく、非効率に思えますが、一人の指導者が養成されれば、その数倍の受講者を持つことができ、鼠算的に手打ちそば技術の普及活動が広がることになります。
私が昨年末に新聞に掲載されたこともあり、民間のカルチャーセンターからそば打ち教室開催の要望が3件(県南、東部)ほどありました。
しかしながら、現況ではその地域に派遣する指導者が不足しており、もう1年程度待って欲しいと説明しているところであり、この事業の重要さを痛感しているところです。一口に"伝統食文化として手打ちそばの普及・啓蒙"といっても、歴史・文化、栽培、製粉、栄養、技術など、その幅は限りなく広く自らの研鑽も含めて容易ではありません。

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               (写真)親子そば打ち体験教室の様子。そば粉をかき混ぜる表情は、親子ともに真剣です。

ところで、蕎麦の生産地におけるこのような活動は、逆に、地場産業振興としての活動が主体となり活動に一定の枠がはめられやすい欠点がありますが、私たちは、地元行政や生産者からの何の支援もない反面、自由闊達に、公平な立場からの活動が展開できる長所があります。(明らかなのは、有名蕎麦産地はその地のそば粉でしか活動できませんが、私たちは、全国あらゆるところの美味しいそばを探索・提供できます。)
NPO法人そばネット埼玉は、埼玉県におけるそばを取り巻く環境を踏まえながら、多くの方々が、手打ちそばを通じて人の輪(和)を広げ、さらに充実した人生を送ることができるように、手打ちそばの正しい知識と技術を伝える活動を展開していきます。そのことが日本の食文化の向上に寄与していくものと考えております。

 

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    (写真)「手打ちそば技術指導者養成講座」の実技風景。こうした取組を通じて県内の地域の手打ちそばの普及、さらに埼玉から手打ちそばの文化を発信することをめざしています。
 
「そばネット埼玉」のお問い合わせは
 
TEL:090-8811-1206
FAX:048-885-7757
E-mail:sobanet@jcom.home.ne.jp
HP :http://members3.jcom.home.ne.jp/sobanet/

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 (写真)今回の講座の成果物を皆さんと一緒に試食。おいしいそばをごちそうしていただいた阿部代表理事に感謝です。

(平成19年度・取材)