出会いを大切に、仲間がいるという安心感で生きています
特定非営利活動法人 KHJ埼玉けやきの会家族会 代表理事 田口ゆりえさん
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ひきこもりの若者やその家族を繋ぎ、立ち直りと引きこもりからの脱却、社会参加を目指すNPO法人「KHJ埼玉けやきの会家族会」。代表理事として法人を立ち上げ、若者と一緒に公園や神社での清掃奉仕活動などに取り組む田口さんにお話を伺いました。 |
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田口ゆりえさんのプロフィール
昭和24年、新潟市出身。水瓶座のO型。看護師として大学病院などで勤務した後結婚。29歳で夫と3人の子供と旧大宮市へ転居し、医療の仕事と子育てをこなすかたわら、趣味の登山と作詞に傾倒する。 3年前、夫が急逝したことを期に、ひきこもりの家族を支援する「KHJ埼玉けやきの会」で勉強を始める。ひきこもりがちだった二男の数年間の経験を通し、同様に悩む家族に寄り添う仕事に専念するようになり、平成21年に団体をNPO法人化。学習会、相談会のほか、若者のための清掃奉仕活動、就労体験事業に取り組むなど、精力的に活動している。モットーは「コシヒカリのように粘り強く」。 |
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家族と家族をつなぐ 親が単に集まり愚痴をこぼすだけの会ではなく、主体性を持って学習しながら子を復活させるための会を築いています。その活動が自分自身の支えにもなっています。将来も増え続けるであろう「ひきこもる若者」の問題は社会病理であり、国をあげて対策を講じなければなりません。 |
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大宮公園の清掃活動の様子 |
しかし、現場のニーズに応えられるのは経験から得た知恵。その意味で家族会の果たす役割は大きいのです。
活動に出てきたばかりの人は緊張と不安でちゃんと目を合わせられないけれど、参加していくうちに笑顔になり、相手の目を見ながら話せるようになってくる、そういう時が一番嬉しい。一人一人の若者が回復し、社会へ旅立ってほしいと願っています。 |
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人生に無駄なことはない 人は生きている限り困難に直面し悩み苦しむものです。しかしそのプロセスで得たものは宝です。その積み重ねが、いつの日か深く輝く心の模様になります。人を理解し認め、思いやることができる人間として成長するのに死ぬまで無駄な時間はないし、また、これで終わりという完成もないと思います。
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人は孤独では生きていけない。夫や妻、子供がいても、その家庭が社会から孤立していては危険ともいえます。恥や偏見を捨てて、社会との接点を持ち、仲間と交流することにより、考え方の視点が変わります。新しい人生と新たな旅が始まります。
人間同士で支えあう時代 ひきこもる若者はひきこもらざるを得ない理由があることを知りました。彼らは感性豊かで優しく、自分よりも周囲のことを優先させる気質を持って生まれました。また、一般的に体質が虚弱です。引きこもった年月だけ社会性が失われます。 一方、強者の論理が支配する現代、きびしい雇用情勢がひきこもる若者の足を引っ張ります。彼らは働きたくても働けないのです。人が人を支えあい、安心して、いきいきと努力しながらスローライフを選択できるシステムが早急に求められます。私も日々模索しているわけです。
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法人化でさらに団結する気持ちが強まりました |
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団塊世代へのメッセージ 経済は高度成長の波に乗り大きく飛躍しましたが、その結果人間として大切な心を置き去りにしてきました。またもう一度世の中を見つめ直すべき時期を迎えました。団塊世代の方は強者の論理を見直し、弱者でも生きられる懐の深い温かい社会を育てるために、元気なパワーを注いでほしい。次世代を担う若者が夢を持てるように、団塊世代が力を合わせる時代の始まりです。若者たちのために、そしてこれから生まれてくる子供たちのためにやらなければならないことは多いはずです。頑張りましょう。(取材日 平成21年9月18日)
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