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市民シアター・エフ

自分にとって本当にやりたいことを見つめて

特定非営利活動法人 市民シアター・エフ 理事長 竹石研二さん

 
各地にシネコンができ、単館の映画上映館は次々と消えていきます。この流れに一矢を報いるべくがんばっているひとがいます。30数年振りに深谷市に映画館を復活させ、今では「花の街ふかや映画祭」の開催や深谷フィルムコミッションによるロケ誘致など、映画によるまちおこしを実践している竹石さんからお話を伺いました。
 
cinema_1.jpg 竹石研二さんのプロフィール

 昭和23年、東京都墨田区出身。AB型。趣味は人に会うこと。
工業高校卒業後、横浜放送映画専門学院(現日本映画学校)卒業。空調工事会社、日活児童映画部、生活協同組合を経て平成6年、NPOが運営する映画館(深谷シネマ)を設立、館長を務める。深谷市在住。
 
 
人生の転機
 深谷に住まいを得て、長らく働いていましたが、50歳の時に上尾の職場に移ることになりました。人生の節目であり、また地元を離れた寂しさもあって、「自分にとって本当にやりたいことは何だろう」と考え込みました。一時は精神的に追い込まれながら、やりたいことをできるのは気力と元気がある今のうちだという結論に達しました。幸い子供は皆社会人として独立し、妻も働いていましたので、私の収入が途絶えても当面暮らせたということもありました。意を決し妻に相談したところ、言い出したら聞かない私の性格を熟知した彼女は「好きにしたら」と行ってくれました・・・。
 それからは会う人毎に「映画館を作りたい」と協力をお願いする日々が始まりました。
 
cinema_2.jpg  もともと銀行だった深谷シネマ〈チネ・フェリーチェ〉の外観
    (チネ・フェリーチェとはイタリア語で「幸せな映画」)
多くの人に支えられて
 たまたま当時、深谷商工会議所では中心市街地の活性化を検討しており、商店街の方からそのことを聞いた私はそれから5ヶ月間、週に2回の検討会議に参加して、映画によるまちづくりのプランをお話させていただきました。計画に取り入れて頂いた皆さんに感謝しています。
単なる趣味ならいいけれど、50過ぎの男が本気で取り組むには少しでも生活の糧となる収益を考えざるを得ません。私の場合は映画館という「思い」が先行していましたので、収支計算をきちんと考えられませんでした。他の人には勧められません。
 それでもやってこれたのは、場所の面倒を見ていただいた方や、銀行に話を取り次いで頂いた方、応援して頂いた大勢の皆さんに恵まれたおかげだと思っています。
 
今、思うこと
 前に進むしかない、前に進む役割は自分しかないと言い聞かせながらここまで来ました。10年間、やり続けられて幸せです。
 今考えているのは、深谷の中心市街地を「憩いの場」にすることで、地域への恩返しをすることです。まだまだがんばります。(取材日 平成20年9月30日)







cinema_3.jpg深谷シネマ受付での竹石さんご夫妻
 

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