日本捜索救助犬協会
きっかけは、捨て犬“愛”との出会いから 特定非営利活動法人 日本捜索救助犬協会 代表理事 江口タミ子さん |
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「“日頃の訓練あっての現場活動”なので、災害時に本当に働ける犬を育成したい。だから、訓練は毎日欠かしていない。」ということで、休日や年末年始も関係なく、毎日早朝から訓練に打ち込んでいる特定非営利活動法人日本捜索救助犬協会(旧称:レスキュードッグ関東)の江口タミ子さん。最近も、大規模な合同訓練にも参加するため、救助犬8頭を乗せて、熊本県まで一人で車を運転して連れて行くなど、パワフルに活動しています。 | |||
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捨て犬を救助犬に転身させて もともとは猫のブリーダーをしていました。育てた猫たちが、もらい手のところで死んでしまうという偶然が相次いだ平成10年、台風の日にガレージの片隅で震えていたメスの捨て犬“愛”を保護したことが、現在の活動の原点になっています。 |
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犬のしつけを無料でやってくれる団体の広告を新聞で見て、“愛”と一緒に通うようになりました。しばらく通わせているうちに、その団体の街頭募金活動に参加したのですが、そのとき、なぜか自分にだけ多く募金が集まりました。団体の方からは“貴重な存在”と思われ、とくに代表の方には大切にしていただけました。そのような縁もあり、しつけのために通わせていた“愛”を救助犬にさせる決意をしたのです。最初から“愛”を救助犬に育てたいと思ったわけではなかったのです。 | |||
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夫の理解 救援活動に行かなかったとき、主人から「何のために救助犬を育成しているのか?こういうときにこそ行くためではないのか?」と言われました。このとき以来、必要があれば、とにかく行くようになりました。今まで遠慮している部分もありましたが、迷いがなくなったのです。一緒に訓練をしている仲間からは、「江口さんがいつも笑っていられるのは、ご主人の理解があるから」と言われています。自分でもそう思います。 |
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団塊世代へのメッセージ 被災現場では“チーム”で行動することが必要だと思っています。私はいつも救助活動・広報・荷物運搬等をすべて一人でやっているので、情報収集や記録等が十分にできません。カメラ好きな人が報道担当として、登山好きな人が運搬担当として、インターネットに詳しい人が広報担当として関わるとかいろいろな可能性がありますし、その方が効果的に進められます。仕事があると休みが取りづらいので、特に退職した人には期待したいです。 |
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私のポリシーは、「やりたい人には惜しみなく手をさしのべる」です。中でも、本気で「訓練士になりたい」「救助犬を育成したい」人がいたら、私も本気で応えたいです。ときには厳しくなることもあります。命を救う仕事なので、ときに厳しくなるのは仕方ありません。 | |||
人から何か指図されたりするのが煩わしい人もいるでしょう。受け入れる側も工夫しないといけませんが、地域で活動するときは、積極的に自分の方から尋ね、教えを請う姿勢でいると、スムーズに進みます。 | |||
思い通りにいかないときもあるかも知れませんが、あなた自身の“何があっても自分がやらねばという信念”を持って、決して諦めないことです。そして、その“信念”を持ち続けるために、人付き合い・書類の煩雑さ・資金不足・・・に決して諦めない“負けん気”を持ちましょう!(取材日 平成20年10月3日) | |||
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