サイト内検索
トップページ > 活動レポート > 共助社会づくり課による取材 > 活躍している“ひと”に聞きました! > 日本ガーディアン・エンジェルス

日本ガーディアン・エンジェルス

「誰がこの街を守るの?」と自問自答し、決意しました
 

特定非営利活動法人 日本ガーディアン・エンジェルス 川口支部長 小川裕子さん

 
 取材した日も、公園にいた中学生たちに声をかけてきた小川さん。若者たちにとって、とても頼りになる“お母さん”的存在です。声をかけられた街の若者たちも、最初は「うるさいなあ」と言いながら反面喜んでいて、次に出会ったときは自分から話しかけてくれたりと、成長を実感することもしばしばとのことです。
 
 gurdian_1.jpg 小川裕子さんのプロフィール

 東京都葛飾区生まれ。商社勤務後に専業主婦になる。
 これまでに、ハンディキャップをもつ方々へのサポート等、あらゆるボランティア活動を長期にわたり取り組んできた。現在も、防犯活動の他、独居老人の生活支援や福祉施設でのフラダンス上演等にも取り組んでいる。
 平成14年、お嬢さんとともに川口市女性消防団員第1号となる。平成19年、埼玉県代表として第18回全国女性消防操法大会に出場し、上位入賞を果たした。
 
 
防犯パトロールからみえてくる現代の世相
 2年前の夏、夜の防犯パトロール中、駅前のデッキで小学1年生の男の子が一人で座っていました。「何でここにいるの?」と尋ねても、何だか様子がおかしく、「家に帰りたくない」とのこと。後で聞いたところ、小学1年生ながら“家出”していたということでした。会話の中で親とケンカしたと言っていたのでピンときていたのですが、まさか小学1年生が?というショックを感じてしまいました。
 
 ある年の七夕祭りの夜、4歳から中学生までの様々な年齢の子たちが、一か所にたむろしていました。「もう寝る時間だよね」と声をかけてまたパトロールを再開したのですが、深夜0時過ぎに再びそこに戻ってみると、4歳の子も含めて、まだたむろしていたのです。その子たちは皆、お互い知らない者同士で、それぞれ寂しくてつるんでいるということでした。

gurdian_2.jpg
               川口支部拠点施設の前で
 当時中学生だった女の子に、先日偶然出会い、「あのときのこと覚えてる?」と話しかけられました。「あのときはお世話になりました」と言われ、とても嬉しかったのですが、あの晩の出来事は、まさに現代の世相を表しているのではないかと複雑な気持ちになります。

 当団体川口支部の拠点施設は、こういう子たちの駆け込み寺になればいいと思っています。非行に走ってしまった青少年のサポートも重要ですが、地域の皆さんと連携し、特に、小中学生の犯罪(非行)を未然に防ぐためのフォローができる拠点にしていきたいです。
 
誰がこの街を守るの?
 西川口に暮らしていて、娘の安全が気になるくらい徐々に治安が悪くなってきたことが、防犯活動を始めたきっかけです。娘の友達の何人かは、治安の良いところへ引っ越していきました。私は、「誰がこの街を守るの?」と思い、周囲に声をかけパトロール活動を呼びかけたのですが、皆「怖いからいやだ」と、なかなか賛同してもらえませんでした。
 その後、警察署からパトロール活動をしている団体を紹介され入会しました。また、同時期に日本ガーディアン・エンジェルスにさいたま支部ができることを知り、さっそく入会しました。さいたま支部での活動を経てから、平成16年に本部から川口支部開設の話があり、私が支部長となり現在に至っています。川口市から事務所のスペースを提供していただいたり、川口ロータリークラブからパトロール用の車を寄贈していただいたりと、大変ありがたく思っています。

 

自分への挑戦
 私の趣味は、ジムでの筋トレ、琴、フラダンス、クラシック鑑賞などです。いろいろやっている理由は、「自分への挑戦」とか「与えられたチャンスは受けたい」という思いからです。年齢が上がるにつれて、その思いはますます強くなっています。おかげで、気力も体力も若くいられます。
 団塊世代はなかなか地域活動に踏み出せないと言われますが、年齢的なものを意識し過ぎるのもあるのではないでしょうか。
 娘は小さい頃、私がいろいろなボランティア活動をしていることに反対でした。『お母さん、わびしいからやめて!』と。しかし、大人になるまでに考え方が変わり、当団体のポリシー『見て見ぬふりをしない』が伝わったのか、他者への手助けを意識するようになりました。私は時々、一家団欒を抜けることもありますが、家族は理解してくれています。

gurdian_3.jpg  川口市内でのパトロールの様子
 

 

団塊世代へのメッセージ
 団塊世代は、地域の中で一緒に活動するメンバーに対して、これまでの知識や人生経験を伝え、人間的に育成できる貴重な存在だと思います。自分しかできないことは必ずありますし、きっとできます。「私がやんなきゃ」とか「私が主役」と思って、気付いたら自ら行動しましょう。自分を待っている誰かが必ずいます。自分の出番は必ずあります。自分らしくいきいき暮らしましょう。                (取材日 平成20年10月8日)

 

小川裕子さんは、平成22年2月11日永眠されました。

生前のご活躍に感謝申し上げますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

 

●こちらのホームページもご覧ください●

特定非営利活動法人日本ガーディアン・エンジェルス ホームページ

埼玉県NPO情報ステーション団体紹介ページ(日本ガーディアン・エンジェルス)