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特定非営利活動法人 羽生の杜

 今後更なる増加が見込まれる、日本の高齢者人口。埼玉県でも、平成27年度の調査において高齢化率が24.8%となり、4人に1人が高齢者、との結果が出ています。

 高齢者をはじめ、地域との関わりの少ない人が多い現代。いかに地域住民のつながりを維持していくかは重要な課題です。そこで今回は、高齢者や子どもをはじめとした「地域の居場所づくり」に取り組んでいるNPO法人・羽生の杜理事長の田村さんと、企画コーディネーターの長尾さんに、お話を伺いました。

活動拠点の写真 羽生の杜の活動拠点
  • 共助社会づくり課
    「活動のきっかけを教えてください。」
  • NPO法人 羽生の杜 田村さん
    「私の友人に、羽生市在住で長年社会的弱者を支える活動をしてきた人がいました。彼は全国各地で活動に取り組んできましたが、40年近く暮らした羽生での活動はほとんど行っていませんでした。そこで、今度は地元の子どもや高齢者の居場所づくりに取り組みたいと志し、所有地に隣接する雑木林1500坪を購入し、彼を中心に多くの仲間たちも賛同して、活動開始の準備に着手しました。地域に開かれた場所にしたいという思いから、2015年10月にはNPO法人としての設立を完了。地域の方々にこのNPO を認知していただくため、オープニングイベントとしてジャズコンサートを開催して出発したのが3年前です。」
  • 共助社会づくり課
    「現在、実施されている活動について教えてください。」
  • 田村さん
    「主な活動としては、高齢者の方に向けて様々な講座を開催しています。現在は、吹奏楽、俳句、連句、写真、ジャズボーカル、陶芸、パズルの7講座があります。いずれの講座も毎月1回開催していて、多くの地元の方で賑わっています。」
  • 共助社会づくり課
    「様々な講座があるんですね。特に力を入れている活動や、注目してほしい講座はありますか。」
  • NPO法人 羽生の杜 長尾さん
    「講座は日常的な活動ですが、羽生の杜の目玉として考えている活動がパズルです。世界的に有名な「数独」の開発者である鍛冶真起さんに講座の講師をお願いしていますが、羽生をパズル(数独)の聖地にしようと、今年からは講座ではない形のイベントを立ち上げようと思っています。
     また、「カロム」というボードゲームの普及にも取り組んでいます。カロムはまだ国内での認知度は低いのですが、ルールが覚えやすく、世代を超えて楽しめるゲームです。定期的にカロムを楽しむイベントを開催しています。 
     パズルもカロムも、子ども・高齢者関係なくみんなで楽しめる遊びとして、今後も力を入れて取り組んでいくつもりです。」
  • 田村さん
    「ジャズコンサートも定期的に開催しています。近隣から7,80人近く集まり毎回大盛況のイベントになっています。オープニングコンサート以来6月と12月に年2回の定期コンサートとして定着させることができました。
     開催当初は近隣へチラシのポスティングを行ったり、新聞の折り込みを活用したり、と宣伝に力を入れましたが、現在ではクチコミで広がり、毎回リピーターの方に御参加いただくことで一定の集客を図れるようになりました。
     コンサート自体は年に2回のみの開催ですが、コンサートへの参加をきっかけとして、より多くの方々に講座をはじめとした羽生の杜の日々の活動に関心を持っていただきたいと考えています。」
  • 共助社会づくり課
    「講座やイベントの運営などには、どんな方が携わっているのですか。」
  • 田村さん
    「古くからの知人で協力を快く引き受けてくれた都内在住の友人もいますし、羽生に来てから知り合った地元の方もいます。陶芸や吹奏楽講座の講師の方は地元在住の方々です。いまや定例化したジャズコンサートでは、ご近所のライブハウスのオーナーにご協力いただいています。」
  • 共助社会づくり課
    「現在、取り組まれている事業の他に、次に取り組みたい事業はありますか。」
  • 田村さん
    「子ども食堂と、子どもたちへの学習支援を実施したいと考えています。詳細は未定ですが、子どもの居場所づくりに取り組んでいく予定です。」
  • 共助社会づくり課
    「新しい取組に向けて、何か心配な点はありますか。」
  • 田村さん
    「現時点で、特段心配していることはありません。新しい取組には、失敗が付き物だと考えていますし、失敗を一つ一つクリアしていくのも、NPOの活動だと思っています。講座の受講者には、協力を申し出てくださっている方々もいらっしゃいます。この広大な雑木林の環境を、子どもたちの遊びの場として有効に活用し、そして一緒に学び食べるスペースとして開放していきたいと思っています。」
  • 共助社会づくり課
    「この広い敷地は、羽生の杜で管理されているとのことですが。」
  • 田村さん
    「現在1800坪あります。活動開始当初は草木が生い茂り、すぐには活用できないような状況でしたが、スタッフやボランティアの方々のご協力によって現在のようにかなり整備された状態になりました。雑木林は、理想の形と比べるとまだ整備の途中ですが、子どもたちや高齢者に限らず、どなたでも自由に集える地元の庭として活用していただきたいと思っています。」

羽生の杜の庭

羽生の杜の庭

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広い敷地の中ではヤギも飼育している
  • 共助社会づくり課
    「たくさんの事業に取り組まれていますが、活動費はどう工面されているのですか。」
  • 長尾さん
    「活動費は主に寄附で賄っています。ただ、今後の活動展開を考えて、活動費をさらに増やすための新しい収益事業も模索しています。たとえば、HPに物品販売のページを設けていますが、商品のラインアップをさらに充実させる、ネットショッピング機能を付ける、などしてより購入し易い仕組みにする予定です。
     また、羽生の杜の建物はお風呂やキッチンなどの設備も完備しているので、子どもであれば2,30人ほどが宿泊できる環境が整っています。学習やスポーツ、エクササイズの合宿先や活動場所として、有料で貸し出すことで収入源にできないかと検討しています。」
  • 共助社会づくり課
    「将来の構想を教えてください。」
  • 田村さん
    「高齢者の恒久的な居場所づくり、なかでもグループホームを作りたいと考えています。きっかけはというと、20年ほど前にスウェーデンを訪れたのですが、当時、スウェ―デンではグループホームが普及していて、地域社会がグループホームを支えるシステムが成立していました。それ以来、高齢者を隔離する施設ではなく、高齢者を地域で一緒に支えていくグループホームを作りたいという思いがありました。
     高齢化が進み、高齢者施設のニーズは着実に増えています。しかし、お金さえ出せば立派なホテル並みのサービスを受けることができる施設が見受けられるように、施設間でも格差が生じています。だからこそ、経済的に厳しい方々や、社会的に孤立している方々を受け入れることができるグループホームを作り、隔離された施設ではなく、地域の方々や子どもたちも集う開放された場にしたいと考えています。」
  • 共助社会づくり課
    「読者の方々に向けてのメッセージをお願いします。」
  • 田村さん
    「講座の講師をやってみたい、という方を募集中です。また、羽生の杜の最大の強みは何といってもこの広い敷地です。子どもたちの合宿など、沢山の人に活用していただきたいと思っていますので、是非一度ご連絡ください。」
  • 共助社会づくり課
    「NPO法人に向けてのメッセージをお願いします。」
  • 田村さん
    「他のNPO法人さんとコラボして、もっと様々な活動をしていきたいと思っています。コラボをしてくださる方、一緒に事業に取り組みたいという方。ご連絡お待ちしています。」
羽生の杜 羽生の杜 理事長の田村さん

特定非営利活動法人 羽生の杜 ホームページ http://www.hanyunomori.org/

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