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特定非営利活動法人越谷ふるさとプロジェクト

 越谷レイクタウンのすぐそばにある大相模調節池は洪水調節のために建設されました。大相模調節池は二つに分かれ、北池の南側は散策や休息といった市民の日常の憩いの場となっているだけではなく、水面ではカヌーや※ディンギーなどの水上アクティビティ、イベントへの来訪者などで賑わっています。
 また、池周辺の水辺空間では、豊かな自然環境にも触れることができます。
 その水辺空間の環境を保全するために活動されている特定非営利活動法人越谷ふるさとプロジェクト(以下「ふるプロ」)の代表理事 櫻井龍雄さんにお話を伺ってきました。
※ディンギー・・キャビンを持たない小型の船舶のこと

共助社会づくり課
 「活動を始められたきっかけを教えてください。」

ふるプロ 櫻井さん
 「私自身の話になるのですが、私は長らく都内の企業に勤めていました。まさに『埼玉都民』で地域のことは知らないことばかりでした。
 50歳を過ぎたとき、会社の上司に『仕事ではない自分の居場所を持つことが今後は大切になる。』と言われました。
 私は京都府の生まれで、埼玉県に住み始めたのは35年ほど前のことになるかと思います。人生の大半を過ごしている埼玉県、強いては越谷市に何も恩返しができていないと考え、地域に貢献することを自分の居場所にしようと決心しました。
 そんなとき、越谷レイクタウンのすぐそばにある大相模調節池が建設されることになり、審議会が設置されました。そこで、私も近隣の住民として審議会メンバーに手を挙げ、メンバーの一員になることができました。
 そのときのメンバーである一般県民や市民団体などが母体となり、ふるプロを立ち上げました。」

共助社会づくり課
 「法人名の由来について教えてください。」

櫻井さん
 「私は自分のふるさとである京都を恋しくなることが多々あります。子供たちが自分たちの生まれ育った場所である越谷を『ふるさと』として思い出してくれたらいいなと思い『越谷ふるさとプロジェクト』と全員の総意で名付けました。」

 

共助社会づくり課
 「どのような活動をしているのですか。」

櫻井さん
 「現在は、水と緑に関する活動や子ども向けのワークショップなどをしています。大相模調節池には希少な魚類や植物が生息しており、特に珍しいものだと、環境省の絶滅危惧IB類に掲載されているニホンウナギが生息しています。
 毎年、池の同じ場所に捕獲用の石倉かごを設置して、ニホンウナギの生息数を調査しています。昨年度の調査では2匹しか取れませんでしたが、今年度の調査では10匹捕獲することができました。
 調査には越谷市環境政策課や埼玉県水環境課、埼玉県東部漁業協同組合に協力をしていただき、約300人の参加者を集めることができました。
 参加者は、絶滅危惧種であるニホンウナギが大相模調節池にいることに興味があるようで、『どこからウナギがやってきたのか』『全体で何匹いるのか』などの質問が挙がりました。」

共助社会づくり課
 「他にはどのような活動をしているのですか。」

櫻井さん
 「越谷市教育委員会生涯学習推進課と連携して『ひがしかた寺子屋』を、旧東方村中村家住宅で開催しました。レイクタウンの側にある見田方(みたかた)遺跡から出土した土器や勾玉について学ぶとともに、実際に勾玉作り体験も実施しました。
 勾玉作りには加工しやすい石を使用して、小さな子供たちが簡単に加工できるようにしました。
 子供たちを対象にイベントを行うときは、子どもが飽きないように楽しめる工夫をしています。私のイメージでは講義などのアカデミックなことが3割、楽しむことが7割となるように調整しています。
 このイベントは今年度が初めての取組でした。開催場所である旧東方村中村家住宅は、越谷市指定有形文化財に登録されている居宅で、1772年(安永元年)に建設されたとの記録が残っています。そのような歴史のある所でイベントを開催するのだから、来年は講師も着物を着て、本当に寺子屋のような雰囲気が出せたらいいのではと構想を練っているところです。」

ひがしかた寺子屋イベントチラシ 水辺の生き物調査チラシ

ひがしかた寺子屋イベントチラシ  水辺の生き物調査チラシ

共助社会づくり課
 「イベントを沢山行われているとのことなので、多くの人手が必要になるのではないかと思います。どのような方がイベントを手伝ってくれるのですか」

櫻井さん
 「当法人の会員はもちろんのこと、文教大学教育学部の大学生や近くの越谷保育専門学校生もボランティアとして手伝ってくれるので、非常に助かっています。
 現在は受け入れていませんが、4~5年前は長期休暇の際に、大学生をインターンシップ生として受け入れたこともあります。」

共助社会づくり課
 「学生たちが手伝ってくれるようになった経緯を教えてください。」

櫻井さん
 「越谷のレイクタウンで行われる防災フェスで、教員希望の学生と知り合ったことがきっかけです。
 教員になった場合、新卒の1年目から担任を持たされることもあるようで、1年目から担任を持って、児童や生徒と接することは大変なことだと思います。
 だからこそ、ふるプロに来てくれる学生には、教員になる事前の準備として子供たちと関わるワークショップなどに参加してもらい、『どのように子供たちと接したらいいのか』を学べる機会を提供できるように心がけています。
 今では、その時に知り合った学生が教員となり、当法人の会員として活動をしてくれています。
 実現は難しいかもしれませんが、今後、ふるプロに来てくれる学生に、環境系のフォーラムなどで発表をする機会を提供出来たらと考えています。」

共助社会づくり課
 「今後の活動の方向性について教えてください」

櫻井さん
 「越谷から多くの情報を発信していきたいと思っています。越谷には全国的に知名度のある特産品はあまりありません。そのようなものがないのであれば、地道に隠された特産品を見出していければと私は思います。外にむけて我々の活動をPRしていくことで越谷を知ってもらいたいです。
 自分たちがPRするだけでなく、近隣の市町村が実施していて参考になることは参考にして、互いに高め合っていくことが大切であると考えます。
 ふるプロ設立してから約10年経過し、固定観念に陥っていないかと思う時が多々あります。NPOは継続して地域のために活動をしていくことが大切であると考えます。
 継続をしていくためには多くの人に関心を持っていただけるよう、魅力的なNPOにすること、若い人がいきいきと活動をすることがなによりも大切なのではないかと考えています。」

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