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日本捜索救助犬協会

きっかけは、捨て犬“愛”との出会いから

特定非営利活動法人 日本捜索救助犬協会 代表理事 江口タミ子さん

 
「“日頃の訓練あっての現場活動”なので、災害時に本当に働ける犬を育成したい。だから、訓練は毎日欠かしていない。」ということで、休日や年末年始も関係なく、毎日早朝から訓練に打ち込んでいる特定非営利活動法人日本捜索救助犬協会(旧称:レスキュードッグ関東)の江口タミ子さん。最近も、大規模な合同訓練にも参加するため、救助犬8頭を乗せて、熊本県まで一人で車を運転して連れて行くなど、パワフルに活動しています。
 
 dogkanto_1.jpg 江口タミ子さんのプロフィール

 長崎県五島列島出身。学生時代は運動部のキャプテンや生徒会活動に取り組む。卒業後に上京し、東京都や神奈川県での生活を経て、猫を家の中で飼える環境を求めて菖蒲町へ転居。そこで捨て犬と出会ったのをきっかけとして、現在の活動に至る。平成16年に法人格を取得。平成20年11月に団体名を「レスキュードッグ関東」から「日本捜索救助犬協会」に変更。
 自宅では、シェパード4頭・ミックス3頭・ダックスフンド1頭(いずれも救助犬)の他、猫13匹とすべて屋内で同居生活を送る。
 
捨て犬を救助犬に転身させて
 もともとは猫のブリーダーをしていました。育てた猫たちが、もらい手のところで死んでしまうという偶然が相次いだ平成10年、台風の日にガレージの片隅で震えていたメスの捨て犬“愛”を保護したことが、現在の活動の原点になっています。
 
 犬のしつけを無料でやってくれる団体の広告を新聞で見て、“愛”と一緒に通うようになりました。しばらく通わせているうちに、その団体の街頭募金活動に参加したのですが、そのとき、なぜか自分にだけ多く募金が集まりました。団体の方からは“貴重な存在”と思われ、とくに代表の方には大切にしていただけました。そのような縁もあり、しつけのために通わせていた“愛”を救助犬にさせる決意をしたのです。最初から“愛”を救助犬に育てたいと思ったわけではなかったのです。
 
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  ガレキの中から生存者を発見する訓練の様子
現場での救助活動
 要請を待っていたら救助は間に合いませんし、正式に要請されてから出動したことはこれまで一度もありません。かといって、急いで行ったのに必要とされないときもあります。いつも自費で行っていますが、先日の岩手・宮城内陸地震では、埼玉NPOハウスの方々が迅速に資金面や広報面などで数多く協力してくださり、大変ありがたく思いました。

 救助活動をするとき、救助犬のメンタルケアはとても重要です。犬の些細な変化に気付いてやれないと、今後、行動できなくなることもあります。生存者の救助活動中に、生体臭ではなく死体臭を嗅ぎ分けたときや、捜索活動をしていて結果が出せないまま帰るときには、心からフォローしてあげることがとても重要なのです。

 岩手・宮城内陸地震の際は、発生当日に現地対策本部へ急行しました。高速道路のSAでは、自衛隊の方々が情報を積極的に提供してくださり、現地で同行することも了解してもらえました。現地入りして最初に、市の対策本部へ行き、具体的な指示を待っていたところ、翌日に「駒ノ湯」「行者の滝」「花山地区」へ行くよう指示が出たため、活動に入りました。現地には3日間滞在しました。
 
夫の理解
 救援活動に行かなかったとき、主人から「何のために救助犬を育成しているのか?こういうときにこそ行くためではないのか?」と言われました。このとき以来、必要があれば、とにかく行くようになりました。今まで遠慮している部分もありましたが、迷いがなくなったのです。一緒に訓練をしている仲間からは、「江口さんがいつも笑っていられるのは、ご主人の理解があるから」と言われています。自分でもそう思います。
 
団塊世代へのメッセージ
 被災現場では“チーム”で行動することが必要だと思っています。私はいつも救助活動・広報・荷物運搬等をすべて一人でやっているので、情報収集や記録等が十分にできません。カメラ好きな人が報道担当として、登山好きな人が運搬担当として、インターネットに詳しい人が広報担当として関わるとかいろいろな可能性がありますし、その方が効果的に進められます。仕事があると休みが取りづらいので、特に退職した人には期待したいです。
 
 私のポリシーは、「やりたい人には惜しみなく手をさしのべる」です。中でも、本気で「訓練士になりたい」「救助犬を育成したい」人がいたら、私も本気で応えたいです。ときには厳しくなることもあります。命を救う仕事なので、ときに厳しくなるのは仕方ありません。
 
 人から何か指図されたりするのが煩わしい人もいるでしょう。受け入れる側も工夫しないといけませんが、地域で活動するときは、積極的に自分の方から尋ね、教えを請う姿勢でいると、スムーズに進みます。
 
 思い通りにいかないときもあるかも知れませんが、あなた自身の“何があっても自分がやらねばという信念”を持って、決して諦めないことです。そして、その“信念”を持ち続けるために、人付き合い・書類の煩雑さ・資金不足・・・に決して諦めない“負けん気”を持ちましょう!(取材日 平成20年10月3日)
dogkanto_3.jpg捜索訓練をしている愛ちゃん                   dogkanto_4.jpg大勢の観衆の前で、箱の中に隠れている人を捜し当てます
   
 
 
 

●こちらのホームページもご覧ください●

埼玉県NPO情報ステーション団体紹介ページ(日本捜索救助犬協会)